2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

4年間の迷子

送品表に数を記入しながらふと、 今日は3月1日でないことに気がついた。 どうりでどこにも幼年誌の誌名が見当たらないわけだ。 まだ酔いが残っているのか、感傷がくすぶっているのか。 今日は、幼年誌4月号。新年度、新学期号。 そりゃあ、もうあふれんば…

宛先不明の肉声を

少なくとも今は、読んで、生きる意欲が燃えてくる本を読みたいと思う。 こんな風にことばにした途端に、「違うな」ってなっちまう。 読書の傾向とか、言い表すの、意味がないのかもしれない。 読みたい本はそれぞれに固有のにおいで僕を誘っている。 とり、…

咏へ、ぼくらのライオン堂

休み明け、送品表をひとにらみ。 アヒール閣下の愛を思いながらも、 その後継者にはなれぬまま、自分勝手に、 車中を過ごす。閣下、お元気であらせられますか。 車中のとも。 鴻巣友季子編著『翻訳問答2 創作のヒミツ』(左右社) ふたりめの相手は円城塔。…

目の前の問答、いつかの書物

車中のとも。 鴻巣友季子編著『翻訳問答2 創作のヒミツ』(左右社) 最初の相手は、奥泉光。 分からないなりに律儀にも英文に目を通してから、 ふたりの訳文、対談へ読み進む。面白い。スリリング。 読むこと、書くこと、自由について、考えられそうな気分。…

夜中の『サッカー・デイズ』

昨日はたくさん読み干した。 最後の『メモワール』からの虚脱感が薄れてきて、 明日の本を選ぼうと、『サッカーデイズ』を取り出して、 これにしようかな、とぱらぱらしたら、がっちり捕まって読み進んで、 杉江さんの40歳の誕生日が来て、涙ぐんだり。その…

旅先にいる、ページのあいだ

妻子が旅に出た。家にひとりは珍しい。 なんか、自分も旅先にいるような気分になる。 架空の旅のとも。 岩崎航、齋藤陽道『点滴ポール 生き抜くという旗印』(ナナロク社) そのまま、読了してしまいました。 空のベッドの写真に、ヒヤリとしたり。 ゆっくり…

買ったばかりの本を開けば

雨があがっていたので、稽古のあとに本屋さんに寄る。 空腹が少し心配だったが、あまり長居もできないし、 かえって好都合かもしれないと、そのまま突入した。 店内で感じたさまざまな思いは再現できない。 今夜もまた、いい彷徨だったとだけ、記そう。 購入…

この本は、乗り物です。

ゆうべ、次に読む本のことを考えた。 何にしようか。素直に考えたら、買ってきたばかりの『翻訳問答2』か、 こないだ買った『サッカーデイズ』、『待つということ』あたりか。 あとは、長田弘の何か、平出隆、片岡義男、ユリイカ『出版の未来』、 『スロー…

本の残像、旅の気配

ゆうべこしらえたおにぎりを解凍、鞄に放り込んだ。 けれども昨日買った柔らかいポケットティッシュは置いてきた。 店に着くと、尻ポケットから先週の残りのティッシュが発見された。 今日は、これでしのぐしかないのか。そんな風に洟を停滞させると、 また…

読む、立ち止まる、また読む

車中のとも。(行き) 長田弘『人生の特別な一瞬』(晶文社) ふたつ読んだ。本を閉じた。『悲しみの秘義』*1と、同じ。 ひとつひとつを、からだにしみわたらせていきたい感じ。 体調が悪いことも作用しているかもしれない。 海を、見に行ったことは、ない。…

忘却の秘義

去年だったか、前にも思ったけど、 2月2度目の日曜以外の休配は、 ありがたいなぁ、1度目の休配を、 みすみす無駄に過ごしてしまっても、 その反省を生かしてすぐに充実した休配ライフを。 というわけで、まずは充電したiPod で、 もう一度、スピッツの「…

人生の特別な一冊

いつもの電車にすべりこむ。 送品表を軽くチェックして、 『悲しみの秘儀』を取り出す。 昨日読んだところを、軽く読みなおす。 そして、初めて読むところへそっと目を進める。 車中のとも。 若松英輔『若松英輔エッセイ集 悲しみの秘義』(ナナロク社) 「…

本読みの秘儀

小走りではいかんともしがたい時間に、 家を出た。乗りたい電車の去ったあと、 次に発車する電車に乗りこんでから、 入荷の少ない今日の送品表をにらむ。 そうして、表紙カバーを外した、 グレーの小さな本を開く。 車中のとも。 若松英輔『若松英輔エッセイ…

チープ・ブライ

休配。関西は、休配。 関東も休配なの?という話が出たが、 答えは、別に風に吹かれているわけでもなく、 そのまま誰に確認することもなく、こうして今。 問いだけがネットに置き去りにされた。 放課後、話し合いで揉めて、別れる直前に、あぁ、 これは空腹…

奈良に及ぶか、中央線の魔力

いつもより、1時間近く早く出るも、 思っていた快速急行は存在せず、各停で大阪へ。 30分後くらいの快急に迫られるのろさ。ああ。 車中のとも。 檀一雄『太宰と安吾 (角川ソフィア文庫)』(KADOKAWA/角川学芸出版) ウイスキー飲みまくる安吾、不気味だ。…

2015 五本の指

例年なら年明け早々にまとめる「五本の指」、 一昨年はぎりぎり1月末に更新したが、 今年はとうとう、2月になってしまった。 しかもいつもなら、前準備としてブログ記事の振り返りなどは、 ちょいちょい進めていたのだが、今年はそれすらできなかった。 今…

ひとりっこ、文学を返品す

首を温める防寒具をつけたら、 マスクをしてくるのを忘れた。 マスクなしで働くの、久しぶり。 ちょっと不安。けれども、レジにて、 笑顔が届いている実感があり。 まぁ、口が隠れてないからね。 とはいえ、目で笑うことをおこたるべからず。 自分がいつか買…

未来に吠えてるつもり

あの、寒波や風邪に震え上がった日々に、 履いてしまったタイツを手放せずにいる。 でも、働いているときにちょっと暑いな、 って思ったことも一度や二度じゃないの。 車中のとも。 檀一雄『太宰と安吾 (角川ソフィア文庫)』(KADOKAWA/角川学芸出版) 「ア…