目の前の問答、いつかの書物

車中のとも。
鴻巣友季子編著『翻訳問答2 創作のヒミツ』(左右社)


最初の相手は、奥泉光
分からないなりに律儀にも英文に目を通してから、
ふたりの訳文、対談へ読み進む。面白い。スリリング。
読むこと、書くこと、自由について、考えられそうな気分。

奥泉 原文に忠実な翻訳をするためには、異質なものと直面せざるをえない。言語の異質性と対峙する環境にあるからこそ、日本語を創るという点で翻訳者のほうが有利だと思う。(p.40)


気がつくと『悲しみの秘義』*1のことを考えている。
具体的な内容でなく、あの本のたたずまいというか、
あの本と自分との距離というか、読んでいたときの、
自分の「ペース」のような、ゆっくり読むことの、
ちから、のようなものについて考えている。


たとえば、電車を乗換えるホームなどで。