ひとりっこ、文学を返品す

首を温める防寒具をつけたら、
マスクをしてくるのを忘れた。
マスクなしで働くの、久しぶり。
ちょっと不安。けれども、レジにて、
笑顔が届いている実感があり。
まぁ、口が隠れてないからね。


とはいえ、目で笑うことをおこたるべからず。


自分がいつか買おうと思って仕入れたのに、
担当変更になって忘れていた書籍が返品箱に入っていた。
箱から取り出し、なでさすってから、箱に戻した。
もう二度と会えないかもしれない。それでも、
今は、買わない。


車中のとも。
檀一雄太宰と安吾 (角川ソフィア文庫)』(KADOKAWA/角川学芸出版

愚弟が文章をつくるのか、文学が愚弟をつくるのか、そこのケジメのところはシカとわからないが、文学という因果な荒行は、よくよく愚弟向きに出来上がっているらしい。(p.234)


わたしはひとりっこだから、
文学からは見向きもされないのだな。