この本は、乗り物です。

猫にメロメロ 関西版 (えるまがMOOK)


ゆうべ、次に読む本のことを考えた。
何にしようか。素直に考えたら、買ってきたばかりの『翻訳問答2』か、
こないだ買った『サッカーデイズ』、『待つということ』あたりか。
あとは、長田弘の何か、平出隆片岡義男ユリイカ『出版の未来』、
スローターハウス5』、などが候補。で、歯みがきしながら検討。


小林紀晴の『メモワール 写真家・古屋誠一とのニ〇年』(集英社)にした。
小林紀晴、久しぶりだな。寝るまでに、「プロローグ」を読んでしまう。
ソンタグの『他者の苦痛へのまなざし』*1について書かれていた。気になる。


で、今朝。たっぷり眠りこけてしまって、おにぎりを解凍する時間なし。
けれど柔らかティッシュは持って出かけた。1勝1敗、小走り(強)発動、
電車には間に合った。2勝1敗と言ってもいい。送品表を確認して、
今日は、真っ黒な本を取り出す。四六ハード、黒。


車中のとも。
小林紀晴メモワール 写真家・古屋誠一との二〇年』(集英社

カメラを取り出し、注意深く構えた、ファインダーを素早く覗いた。シャッターの音だけが、やけに大きく空間に響いた。(p.29)


小林紀晴の本は、何冊か持っている。
実際に読んだのは、2、3冊か。ある日、突然、
小林の文章を読むのが恥ずかしいような気になって、
それで、本屋さんで見つけても、手に取らなくなってしまった。
久しぶりに読む小林の文章は、やはり小林の文章で、
でも、別に恥ずかしくはなかった。


それよりも、この、小林が書いている対象、
古屋誠一が、やばすぎる予感。古屋の写真は、
僕も展覧会や写真集で、見たことがあるはず。
奥さんのポートレートが記憶にある。


昨日の午前中に在庫数FAXしたとこから、
今日、もう追加が入ってきた。取次経由である。
土曜に売り切れてたので、ほんとうにありがたい。
直接、会話のやりとりはしていない。だからこそ、
姿も声も知らない担当者の仕事っぷりに頭がさがる。
こちらの持ち場である売り場をきちんと作ってゆかねば。


気になる新刊。
猫にメロメロ 関西版 (えるまがMOOK)』(京阪神エルマガジン社


友人の襲撃を受ける。
仕事中は、なかなかゆっくり話ができずにもどかしいけれど、
それでも、やはりとても嬉しいものだ。関西に移住してきて、
5年目、か。知り合いといえば、ほとんど職場の人しかいない。
それが、少しずつ、その周りに広がっているのは、心強い。


車中のとも。
小林紀晴メモワール 写真家・古屋誠一との二〇年』(集英社


突然、書き込みが現れて混乱した。読点が、
「く」の字の挿入記号とともに加えられている。
そういえばこれは、本おやさんのところで買ったのだった。*2
すると、編集者の、あの方の書き込みだろうか。


そういったことが意識の上で整理されてくるまで、
タイムマシンから放り出されたような、
めまいに似た揺れが頭を包んでいた。
読書中、ぼくの魂は実際に、
どこかに浮遊しているのかもしれない。
読み方を間違えるとそのまま、戻ってこれないのだ。

*1:スーザン・ソンタグ、北条文緒『他者の苦痛へのまなざし』(みすず書房

*2:おやつの食べ過ぎで、ごはんが食べられなくなる問題:http://d.hatena.ne.jp/tori810/20141120