おなじ言葉で、べつのわたしへ

べつの言葉で (新潮クレスト・ブックス)


休配。
ゆうべのうちに、これを読もうと鞄に入れておいた。
クレスト・ブックス、何冊か持っているが、車中のともにするのは初めて。
いや、車中でなくとも、ちゃんと読むの初めてなんじゃないか。
なんとなく表紙カバーも帯も外したくないと思って、
そのまま持ってきた。小ぶりで読みやすい。


車中のとも。
ジュンパ・ラヒリ、中嶋浩郎『べつの言葉で (新潮クレスト・ブックス)』(新潮社)


「辞書」良かった。

自分の言語が外国語と見なされている国に住んでいると、絶えず疎外感を味わう可能性がある。周囲の環境との釣り合いを欠く秘密で未知の言葉を話すのだ。その欠落は自分の中に隔たりを生み出す。(p.18)


この本、去年に買って*1ずっと本棚にあった。けれども今、
買ってすぐの頃よりもきっと、深く楽しめているような気がしている。
もちろん、『台湾生まれ日本語育ち』*2を読んだ後だからだ。面白いな、
と思うのは、この本を既に買ってあったということ。
本を買うことに、買っておくことに力を得た気分。


「会話」、「辞書を使って読む」良かった。
休配日に行きつけの店で、トーストとコーヒー。
ずっと読んでいた。グッと読んでいた。


ふいに、フィクションが現れた。
あぁ、これがイタリア語で書かれた「小説」か。
夢を見ているような、夢の話を聞いているような。


家に帰って、寝る前に、もう残りわずかとなった本を、
読み干してしまう。明日は、地域の防災訓練だ。


読了。
ジュンパ・ラヒリ、中嶋浩郎『べつの言葉で (新潮クレスト・ブックス)』(新潮社)


訳者あとがきも良かった。四回目の添削のとこ、グッとくる。

*1:購書と読書の意外なカンケイ:http://d.hatena.ne.jp/tori810/20160305

*2:温又柔『台湾生まれ 日本語育ち』(白水社