読んでない本を交換する人たち

東京こだわりブックショップ地図 (散歩の達人POCKET)


今夜は、ブクブク交換会。
「未読本」というテーマを提出した手前、なにがしか、
いい会になるように貢献したいと気合いが入るも、空回りの気配。
車中では、持参した本と自分の関係を耕す作業。


小気味よく退勤し、小走りを駆使して神戸を目指す。うっすらと、
去年のブクブク交換会のこと*1も思い浮かぶ。
早く着いたので三宮から1003まで歩く。持参本にひとりよがりを感じて、
途中、再考を試みる、はずが古本を買ってしまったり。


購入。あかつき書房。
中村明『センスある日本語表現のために―語感とは何か (中公新書)』(中央公論社


いやいや、再考を試みるんですよ、とジュンク堂書店三宮店へ。
ブクブク交換、という他者への構えと、背表紙を目にしたときの個人的な鳥肌と。
結局何も買えないまま、1003を目指して走りだしたのだが、
DAIMARU まで来てから、意を決して引き返す。あの本なら、
熱を込めて話ができると思ったのだ。ジュンク堂書店で、
ぞくっとさせられたあいつを、購入。


再び、1003を目指して、走る。
既に、メンバーは揃っていた。いや、正確にはもう一人、
ぼくの友人が来ていない。(ぜんぶ、ぼく絡み・・・)
POPを描けというルールを忘れていて、
さっきまでとはまた別のプレッシャー、
なんというか、書店員としての、
未熟さがあらわになってしまう。


ワンドリンクは、ビールをいただく。てんでアルコールに弱いとりであるが、
1003に足を踏み入れると、お酒を飲まなきゃもったいない気にさせられる。
そのガソリンにそそのかされて、だいぶん、しゃべり過ぎてしまった。
だからというわけではないけれど、「未読本がテーマのブクブク交換会」、
とても面白かった。ぼくがしゃべり過ぎてしまったのは、
皆さんの面白い話をぞんぶんにうかがった後のことだ。
自分の想像していた、長年読みたい気持ちをくすぶらせながら読むに至らなかった本、
買うに至らなかった本などはもちろん、旦那さんの思い出のふせん付の本や、
お父さんのゆくゆくは処分する予定の棚から救いだした本とか、
思いがけないエピソードが次々と登場して盛り上がりました。


遅れてきたぼくの友人も、淡々と差し出したエピソードに意外なほど本屋好きの気配がたちこめていて、
ひそかに唸らされてしまった。(彼女とは、これまで本の話をしたことがなかった、はず)


差し出したのは、持ってきた一冊、今江祥智ぼんぼん (新潮文庫)』(新潮社)、
そして買ってきた一冊、屋敷直子東京こだわりブックショップ地図 (散歩の達人POCKET)』(交通新聞社)。
いただいたのは、京極夏彦柳田國男遠野物語remix』(KADOKAWA/角川学芸出版
難波功士創刊の社会史 (ちくま新書)』(筑摩書房


その後、ちおさん紹介のお店で、懇親会。
美味しい食事と本の話で、たいへん楽しい時間を過ごす。
さぁ、そしてやってきました、終電の時間。
JRの駅を探して冷や汗をかくも、
なんとか、たどり着いた。


こないだの同窓会で羽振りのいい旧友の姿を見て、
特急券をケチらなくなった。と、いうわけで、
鶴橋からは特急に乗って奈良へ帰る。


車中のとも。
京極夏彦柳田國男遠野物語remix』(KADOKAWA/角川学芸出版


京極センセイ、初めて読むかもなー。



面白く読んでいた本も読み終えた途端に、ちょっと色あせて感じることがあります。一方、未読の本はいつだって、僕を強烈に惹きつけます。読んで面白かった本よりも、読まずに誘惑し続けてくる本について語ってくれませんか。帯目次あとがきまでなら、未読を名乗ってよし。


<未読者の集い、未読本の交換会>


2月24日19時より。
場所は神戸元町の古本屋1003*2
参加費700円(ワンドリンク付)定員6人。