最後の一冊という冒険
少し早めに家を出た。
セブンでサンドイッチを買ってから駅へ。
自販機で飲み物(ホット)を買って電車へ。
送品表チェック後、『一緒に冒険をする』を。
橋本久仁彦さん、高山一家。
期待通り、期待以上の面白さ。
高山家に生まれてどうですか?
源樹 僕はもう本当に幸せだなと思う。お母さんと親父が、家をつくることを含み、全部楽しそうにやっててくれたおかげで、そういうのは楽しいもんだというのが常識になっちゃった。
常識って、小さな体験の積み重ねだと思うんですよね。それを「楽しいもんだ」と認識させてくれたおかげで、「出会ったことのない未知のものへ向かっていく過程は楽しい」という感覚をつくれた。(p.208)
きちんと向かい合いたい、誰と向かいあいたい?
店に来て、今日から5月が始まったことに気づく。
「選んだものを、答えにしてゆけばいいんですよね」(p.243、内野加奈子)
良かった。
昔、所属していた劇団の演出家に「冒険が足りない」みたいなことを言われていた。
とほんさんでやった未読本の交換会のときにも少し思い出したが、また忘れてた。
冒険、か。伊勢達郎さんは「無謀」のがいいって言ってたけど。
改札を出て、エスカレーターそばのベンチにすわって、
「あとがきの、あとがき」も読んだ。呆然。
僕にとって、どんな3年間だったろう。
僕にとって、どんな10年間だったろう。
読み終えたときに、次の本を探しに行きたくなる本と、
「本を読んでる場合じゃねぇな」って思う本とがある。
まぁ、だいたいは次の本を手にしてしまうのだけど、
その「読んでる場合じゃねぇ」感は、大事にしたい。
たとえば、『一緒に冒険をする』が、
僕の読んだ最後の一冊になるという想像。
本を読まない冒険に出る。