優しさにすがる、人にすがる、

人と会う力


ネボウ。
ここ最近のゆううつの反動か、
自分でも残念なくらいふてぶてしい気持ちで、
家を出た。それくらい、弱っているんだね。
必死に、強がらざるをえない。


ゆうべは、ケータイでメモリ不足で受信できなかった、
先輩からのメールの転送がジーメール に届いた。
あわただしい夜に走り読みだったが、
優しさにグッと来た。すぐにお礼のメールを送ったが、
改めて電車の中で読み返し、もう一度、お礼のメールを送る。


優しさに、すがりついているね。必死だね。
けれども、先輩なら優しいメールを返してくれるはずだ、
という、期待があった。そこまであからさまには言わなかったが、
「SOS」を発信したのだ。救命ブイが投げられたなら、
それに必死にすがりつくべきではないのか。


(いったい、誰に言い訳しているのかしら)


車中のとも。
岩楯幸雄『幸福書房の四十年 ピカピカの本屋でなくちゃ!』(左右社)


退勤後、昨日探しに行けなかった『津波の霊たち』が気になって、
大和西大寺で降りる。ちらりと古本屋蝶野をのぞくも、
シャッターが降りていた。そうか、そうか。
それならばと、奈良ファミリーへと突入。
ジュンク堂に身を任せる。すると、
面陳されていた本に、揺さぶられた。
それは、刊行予定も知らず、TLでも未見の、
オカタケ師匠の新刊であった。心の中で叫んだ。


『し、師匠!こんなところでなにやってるんですか!』


すぐに一冊手に取って、小脇に抱えた。弱っているのだ。
弱っているわたしは、優しくしてくれそうな人や本を見ると、
すがりついてしまうのだ。実際のオカタケ師匠にはそんなことはできないが、
意外なところでお見かけして思わず駆け寄ってご挨拶してしまったような感じであった。
もっと言えば、袖のあたりを触ってしまうほどの、喜びようであった。
その後、オカタケ師匠の援護を得たわたしは、安心して、
気になる本を棚のあちこちに探し回ることができた。


購入。ジュンク堂書店奈良店。
岡崎武志人と会う力』(新講社


気になる新刊。(既刊もあるデヨ)
リチャードロイドパリー、濱野大道『津波の霊たちーー3・11 死と生の物語』(早川書房
ティーヴン・ウィット、関美和『誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち (ハヤカワ文庫 NF)』(早川書房
角田光代『あなたの記憶のなかに』(小学館
神藏美子『たまもの (ちくま文庫)』(筑摩書房
とみさわ昭仁無限の本棚 増殖版 (ちくま文庫)』(筑摩書房