短距離読書の夏

読了。
高橋健二ケストナーの生涯―ドレースデンの抵抗作家 (福武文庫―JOYシリーズ)』(福武書店

この序文は病人とは思えぬウィットに富んでいる。マラソン走者がいるように、長編小説を好むマラソン読者がいる。こういう読者はエリートで、敬服に値する。だが、自分はしばらく前から大きな文学に遠ざかって、小さい文庫を営んで、「専ら短距離読者用」という札をかけている、というのである。まさしく短くてよい序文である。それが絶筆であった。(p.245)


短距離読者。
気楽そうで、いいね。
オカタケ師匠の、「わたしはわたしの風邪を引く」
に通ずる、読書マイウェイ宣言ですね。


さて。今年は関西に住んでいるので、
ぜひとも下鴨納涼古本まつりに馳せ参じようと思っている。
そこで、ケストナー関連の本も見つけられたら、嬉しいなぁ。
福武文庫のアレとかね。


車中のとも。
岡崎武志古本でお散歩 (ちくま文庫)』(筑摩書房


実家から持ってきてもらった、オカタケ師匠のちくま文庫たち。
気の向いたのを拾い読み、というのがなかなかできず、
ついつい頭から順番に読まずにいられない不器用者。
なんとなく文章カタイなー、と思いつつ読んでいたが、
「愛撫」「大いなる幻影」でガツンとやられた。
いやー、師匠の古本話は、やっぱ面白いです。