まずはバトンを拾いなさい

車中のとも。
辻山良雄『本屋、はじめました―新刊書店Title開業の記録』(苦楽堂)


目次から、良い。フォントも好き。「Titleが閉店する日」が気になる。
第一章、読み終えた。バトンをファンブルしている自分の姿が目に浮かぶ。
客席から、まずは落ち着け、と声をかける。走り出すのは、バトンを握ってからだ。
前の人を追いかけて走りながら自分を責める感覚を、覚えている気がする。

苦楽堂の社主・石井伸介さんから「本を書いてみませんか」と言われたときに、思い浮かんだことも、「自分が何かの力によって、本屋として生かされているという思い」でした。自分が新刊書店を開いた陰には、そう望んでも何らかの理由で叶わなかった誰かの想い、挫折、妥協があったと思います。自分のめぐりあわせが良かっただけだとしても、そうした一つの本屋が生まれたという体験を書き残しておくことは、どこの地域、どんなやり方であろうと、自分のやり方でこれから本を売って暮らしていきたいと思っている人にとっては、役に立つことも少しはあるかもしれません。こうした文章を書いたのは、そのような理由からです。(p.2-3)


昼休みのとも。
読書猿『アイデア大全――創造力とブレイクスルーを生み出す42のツール』(フォレスト出版

我々がアイデアを、新しい考えを必要とするのは、これまで通りではうまくいかない状況に直面しているからだ。したがって、これまでのやり方で考えていては、行き詰まりを脱することができない。(p.2)


行き詰まりを脱することができないとわかっていながら、
「これまで」から脱することができないのが、わたしだ。


気になる新刊。
国谷裕子キャスターという仕事 (岩波新書)』(岩波書店
斎藤美奈子文庫解説ワンダーランド (岩波新書)』(岩波書店