後ろ向きには飛べないし
飲み会明け。
だらだらとTLに意識をからめとられ、
生駒を過ぎてから慌てて送品表を取り出す。
人気の漢字ドリルが再入荷した。
どんどん発注しているから、もう少し、
入荷はあるだろうが、いったいどれくらい在庫しておくべきか、
見極めが難しい。GWとか、お盆とかの在庫作戦とか、苦手。
そのGW、毎年のことのはずなのに、今年も、
いまいち前倒し入荷のイメージがはっきりしないまま、
木曜日に幼年誌&ティーン誌が来ることを送品表に教わる。
教わってなお、実感がわかない。わかないまま、
バックヤードを整理する。
スペースの確保が最優先。
購入。ブックオフジェイアール鶴橋駅店。
長嶋有『いろんな気持ちが本当の気持ち (ちくま文庫)』(筑摩書房)
ミッチ・アルボム『モリー先生との火曜日』(NHK出版)
「モリー先生」は、『「考える人」は本を読む』*1で取り上げられていた一冊。
ブックオフの単行本コーナーにありそう、と思ったら、まんまと入手。
逆に新刊書店で見つけにくい本ではなかろうか。文庫化もしてなさげ。
車中のとも。
大井実『ローカルブックストアである: 福岡 ブックスキューブリック』(晶文社)
ふいに読みたい気持ちがわいてきて、
ゆうべ、鞄に入れておいた一冊。それでも、
朝の電車では取り出す気持ちにもならなかった。
なんとも、扱いの難しい「読みたい気持ち」なり。
大井さんの青年時代が語られているのが、いい。
そう言えば、他人の青春記が好物だったな、俺。
辻山さんの本*2と並べて語られることの多いこの本、
けれど、開店は2001年、15年間お店を回してきた大井さん。
簡単に「セット」にして済ますわけにはいかない。
そういえば、辻山さんのほうでは、それほど読書や音楽などの思い出が印象に残っていない。
語る内容をあえて、開店周りと、直前のリブロ時代のことに絞った感じなんだろうか。
大井さんのほうは、いろいろな体験がすべて「キューブリック」に注ぎ込んでいる、
といった語り口で、読んでいるとついつい、「僕の人生にはきちんと過去が注ぎ込まれているかしら」
と、自分史の書き方の本とかブックオフに探しに行きたくなってしまうので注意しよう。
だいたいその手の本は、ずいぶん前から本棚のどこかで高いびきをかいている。
キューブリック開店時、大井さんは39歳。
執筆時、55歳。15年後、僕は今を振り返って、
どんな風に過去を拾い集めてくるんだろう。
いや、違う。
僕の享年は、もっと手前にセットしてあったんだった。
危ない、危ない。もう、カウントダウンが始まってるんだ。
振り返るべき時期は、とうに過ぎ去っている。
ここまで来たら、享年のその先へ、
前のめりに飛んでいくのみ。
*1:河野通和『「考える人」は本を読む (角川新書)』(KADOKAWA)
*2:辻山良雄『本屋、はじめました―新刊書店Title開業の記録』(苦楽堂)