日常のとなりひとり旅


娘たちを保育園へ連れて行く。
静かな部屋では眠気にやられる。
いざ、洗濯やら洗い物やらをすべし、と、
気合いをこめてCDの再生ボタンを押す。


当然流れてくるであろうハンバートさんの「横顔しか知らない」ではない曲が流れてきたときの困惑、
さらにそれがTHE ALFEE星空のディスタンス」だと分かったときの驚愕。


妻よ。


朝の家事に手間取り過ぎて、それでもエイッと家を飛び出して、
善行堂、行けるかな、どのくらい滞在できるかな、京都暑いよな、
駅に着くまでにやる気がしぼんで、でもまた違うプランが浮上して、
あれもそれもこれも置いてあるはずの本屋を目指して、電車に飛び乗った。


大和西大寺で乗換え。
曜日と時間が変わると、乗り場が全然違う。
最近では慌てず騒がず、ケータイでの乗換案内と、
駅構内の発車案内板を見比べて、ホームを特定する。


乗換案内で郡山を探すときは、「近鉄郡山」と入力する。
以前はよく、「大和郡山」と入れて失敗した。最近は、もう慣れた。
モスバーガーで軽く昼食を取ってから、十字路を右へ曲がる。
この道程も、すっかり身についたようだ。


柳町商店街、今日は静かだと思ったら放送が止まってる。
と、突然、「ウグイスぼーず」のアナウンスが始まった!
待ってました!足取りも軽くとほんさんに突入、はせずに、
まずは店の外の文庫や絵本から拝見する。


店の中には何人かお客さんがいる。これは気楽に棚を楽しめそうだな、
とスナガワさんに目でご挨拶。久しぶりの棚は、期待以上に輝いていて、
欲しかった本を思い出したり、意外な好奇心の発動に自分を見直したりする。
途中、お客さんが途切れたとき、スナガワさんとお話もしたけれど、
目が背表紙から離せなかったりして、失礼千万であった。
奥方さまにも久しぶりにお目にかかれて嬉しかった。


購入。
前川恒雄『移動図書館ひまわり号』(夏葉社)
堀淳一『地図なんでも入門 (小学館入門百科シリーズ (128))』(小学館
『BOOK5 2012年5月創刊号』(トマソン社)
矢萩多聞『たもんのインドだもん (コーヒーと一冊)』(ミシマ社)


スナガワさんから、10月に平城宮跡であるというフェスの話を聞いてたら、
ちょうど関係者の方(主催の方?)がいらして、チラシの最新版をいただいた。
平城宮跡ブックフェスタ 十五夜の宴」*1とな。面白そう。ちょっと顔出したいな。


今日は買えなかったが、世田谷ピンポンズさんの新譜、
『僕は持て余した大きなそれを、』*2も気になった。
「『ホテル稲穂』が聞きたいんですよねー」という僕にスナガワさん答えて曰く、
「『ホテル稲穂』がいいのは当然として、これもこんなに良かったのか!って曲もあるんですよ」
すすめ上手や。でも今日は、もう財布が息絶えてしまったので、また今度。


こちらも久しぶりの「K COFFEE 」さんでアイスコーヒー。
敷地内に人がいっぱい、にぎわっている。ちらりと姿を見せた息子さん、
なんだかずいぶんと大きくなったように感じる。
僕のなかでも確実に郡山の景色が息づいている。


車中のとも。
片岡義男日本語の外へ (角川文庫)』(角川文庫)

彼ひとりに限定することなく、彼のような人が英語で語っていくのを聞いていて、いたたまれなくなるほどのきまり悪さを覚える理由は、さらにいくつもある。そのなかで最大のものは、センテンスのなかばあたりで主語を忘れてしまっている気配がある、という恐るべき事実だ。(p.312)


近鉄奈良に戻ってきて、生活のこまごまとした買い物をし、
また、郵便局で切手を買ったりしてから帰宅。ほどなくお迎えの時間、
幼児の髪を切ってもらいに美容院に連れて行く。抱っこして乳児を眠らせてふと見れば、
鏡の前で幼児も傾いていた。眠れ眠れ、たくさん眠れ。たくさん眠って大きくなれよ。