旅の記憶、5月の終わり
今日は、日曜だけれど出勤。5月最後の日曜日。
少し早く家を出たので、乗換え駅でパンと紅茶。
向こうに見える緑を見て、いつかの旅を思い出す。
一緒に旅した友人に、メールを送ってみたり。
車中のとも。
長田弘『アメリカの61の風景』(みすず書房)
本屋がなくなっても、本屋の思い出は本のなかにのこる。この本はあのなくなった本屋で買ったのだと。(p.67)
友人から、すぐに返信が来る。
旅先で出会った不思議な人物について書いてよこした。
あぁ、そういう人がいたなぁ。記憶が、掘り起こされる。
あの人は、今もなお、あの港町に暮らしているだろうか。
いつもと違うシフトで、いつもと違う曜日に売り場に立てば、
時間も空間も何やら夢の中のようなふわふわとした感触で、
長いような短いような、一日が過ぎてゆく。
気になる新刊。
清水潔『殺人犯はそこにいる (新潮文庫)』(新潮社)
山田太一『月日の残像 (新潮文庫)』(新潮社)
清水さんの方、自店は今日、売り切れてしまった。
まぁ、入荷少なかったけどな。待ってた人、けっこういたのかな。
帰り、雨が降っていた。
久しぶりに折りたたみ傘を開く。
車中のとも。
長田弘『アメリカの61の風景』(みすず書房)
その日、『大西洋の墓地』をのぞむ小さなレストランでふと手にした地元紙に、アウターバンクスの人口六百五十人の町で小さな本屋をひらいている女性の、読書をめぐるエッセーが載っていた。夏のもっとも素敵な喜びの一つは、夏の読書だというのだ。(p.100)
長いと思っていた5月も、やはり終わってしまう。
けれども、これから夏がやってくるかと思えば、
前向きな気持ちを維持できそうだ。梅雨ですら、
夏を迎える前の、演出にできたなら。
梅雨も読書、夏も読書。