長田弘を想うイブ
『飛ぶ教室』を手に取ることもなく、
クリスマス・イブがやってきてしまった。
今年の年末は、長田弘の本をゆっくり読んでいる。
へそまがり老人、アメリカの旅の思い出、と読みつぐ。
『アメリカの61の風景』(みすず書房)を思い出す。
僕の大好きなあの本を改めて長田弘自身に推薦されたようで嬉しい。
旅全体を振り返る視線は、こちらの感傷かもしれないが、
去りゆく老人の別れの身ぶりにも思える。
20年近くかけて、少しずつアメリカを旅したというのを読んで、
それなら僕にもできるかもしれない、と思った。いや、出来ないけど。
長田さんの旅の中のひとつくらいは、体験できないか。
長田弘の評伝、読みたい。
英語という生来の言葉ではない言葉を知ることによって、わたしが思い知ったことは、言葉というのは本来、一人のわたしの限界を知るためのものなのだということだった。言葉は他者のあいだに一人のわたしを見いだすためのものだ。(p.84、「ホイットマンの手引き」)
今年のクリスマスプレゼントは、幼年誌前倒し入荷。
その他の雑誌が少なかったので、なんとか午前中に格好をつけた。
昨日と比べれば少し落ち着いているかな、とも思ったが、
どうして、行列は店内を縦断して雑誌補充もままならぬ。
ありがたいことです。クリスマスに本屋。ありがたい。
年中、来てくれていいんですよ。
「コヨーテの導き」河合隼雄のこと。初出は『飛ぶ教室』2008年冬号。
どうしても、うとうとしちまう、エズラ・パウンドの名前がまた。
明日はお休みなので、クリスマス激務を一足先に通り抜けたということだ。
あぁ、今年も終わりますな。貴重な、「雪が降る町」がしみる期間がやってくる。
どうか元気で。お気をつけて。
追伸:全国のサンタさん、おつかれさまでした!