暗がりで本を読んだら目が悪くなるわよ

「東京」から関西へ出てきた知人と、
鶴橋で焼肉を食べた。肉よりも話に夢中になり、
なんとも、もったいないような感じであった。
でも、しゃべる舌のすみっこにまちがいなく、
肉のうまみは感知されていた。はず。


購入。ブックオフジェイアール鶴橋駅店。
片岡義男野田知佑佐藤秀明カヌーで来た男 (新潮文庫)』(新潮社)
荒川洋治ラブシーンの言葉 (新潮文庫)』(新潮社)


読了。
長田弘一人称で語る権利 (平凡社ライブラリー)』(平凡社


帰宅すると、いつもはつけない暗めの灯りがともっていて、
なんとなく、その暗さが心地よくて、そのまま本を読んだ。
子どものころ、よく母親から「目が悪くなるわよ」と、
叱られたっけ。叱られる明るさだな、これは。


女性の語尾の「わよ」というのは、
実際にはあまり聞かない気がして、
むかしのテレビドラマとか、今見ると、
ちょっとへんてこな感じも受けるけれど、
そういえばうちの母親は、「わよ」って言ってたかも。


そういう語尾は、ドラマや小説や漫画以外の、
実生活でも、存在していたんだろうか。そういうの、
ビデオや録音などが残ってないと、信じがたいよね。


こういう暗い灯りのしたで流れる時間の速度、
というのがある気がする。明るい蛍光灯とはまた、
違った時間。あのうそうそしい蛍光灯に照らされたキッチンも、
なかなかにセンチメンタルな空間ではあるのだけれど。


ゆっくり読む、ということについて考えるための、
準備をしなくっちゃ、と焦るばかりの水曜の夜。