糺の森にカロリーヌ

カロリーヌほっきょくへいく (カロリーヌとゆかいな8ひき)


娘を保育園に預けてから、京都へ。
下鴨納涼古本まつりだ。いつ以来だろうか。
ゼンコーさんの本を読んで、古本気分、
京都気分を盛り上げていく。


読了。
山本善行『古本のことしか頭になかった』(大散歩通信社)

何も心配しないで(働かないで)一日じゅう本が読めたらいいのにな、などと呑気なことを考えているうちに、五十四歳になってしまった。(p.146)


そんなおおげさな、と言いたい。
けれども、「三十四歳になってしまった」というのと、
「五十四歳になってしまった」というのでは、
迫力が全然違う。僕も、早く五十四歳になりたい。


さて、五十四歳には程遠い若造のわたしが、
「古本まつり」ののぼりが並ぶ糺の森へと、
やってまいりましたよ。けれども、この若造、
前回来たのが何年だったか、思い出せない。


まぁ、いいか。まずは、テントの様子を眺めながら、
ざーっと一番北まで行ってしまう。児童書コーナーだ。
今回は、ケストナーの本を見つけたいなぁ、という気持ちと、
今年に入ってからの児童文学への関心もあり、
自然と、そういうスタートになった。


飛ぶ教室』や今江祥智ケストナーの本をパラパラ。
やはり、関心があるところの本を手にすると、
気持ちが高揚します。うん、楽しい。


探すとはなしに探していた、「カロリーヌシリーズ」が、
BL出版のもので大量に出ていた。北原尚彦の、
発掘!子どもの古本 (ちくま文庫)』(筑摩書房)で、
思い当たった、アレである。*1


そしてやはり、このシリーズを読んだことがあった。
いくつかある本の中で、見覚えのある絵を見つけた。
これこれ、動物園からシロクマの子どもを連れ出す行進!
一冊、購入。いつか元バージョンのほうにも再会したい。


もう一冊、今江祥智の本も購入して、
ようやく児童書コーナーを後にする。
紙芝居も始まった。なかなかに、
熱演。観客の心を掴んでいる様子。


その後、昼ごはんも食べないで、
約5時間くらい。15時近くなって、
ようやく南のはしまで戻ってきた。


途中、何度か文庫を大量買いできそうなムードもあったけど、
結局は、棚に戻してしまった。3冊しか買えなかったのは、
むしろ喜んでいいのかもしれない。棚を圧迫することなく、
家計を逼迫することなく、5時間楽しめたのだから。


購入。
ピエール・プロブスト、やましたはるお『カロリーヌほっきょくへいく (カロリーヌとゆかいな8ひき)』(BL出版
今江祥智今江祥智の本 第21巻 友情の肖像』(理論社
向井敏傑作の条件 (文春文庫)』(文藝春秋


さて、喜びつつもお腹をすかせたわたしは、
コンビニでパンとパックのコーヒーを買って、
鴨川ぞいに南下していた。そうはいっても、
やはり買い足りない気がしていたのだ。


目指すは、善行さんオススメのブックオフだ。
京都三条駅ビル店。下鴨神社からは、けっこう遠かった。
なんとか一冊見つけて、気がすんだ。
さあ、娘を迎えに行かねばならぬ。


購入。ブックオフ京都三条駅ビル店。
創元社編集部『関西図書館あんない―BOOKMAP』(創元社


車中のとも。
今江祥智長新太山のむこうは青い海だった (フォア文庫 C)』(理論社


こちらも、夏の物語。
久しぶりに読むなぁ。
小学生のとき以来、かも。
関西の、話だったのだね。


そして、けっこう古い時代が舞台だった。
そうなんだー、と思いながら夢中で読み進む。
面白い。面白いな、今江祥智