山火事を眺める夜

ときどきの少年 (新潮文庫)


昼過ぎから、妻子をともなってならまち方面へ。
ふと、今日が1月28日なことに気づく。
若草山の山焼き当日じゃないか!


シフトが変更になる前は出勤予定だったから、
もう行けないものとしてすっかり失念していた。
奈良市観光センターに寄って見える場所などを尋ねる。
案外、家の近くから見た方がいいらしいことを知る。


とりあえず、夕方までは大丈夫、ということで、
ならまち近辺の古本屋さんを攻めることにする。
以前にも訪ねた餅飯殿センター街(もちいどのセンター街)*1
古本屋群を順番に見ていく。


まずは、フジケイ堂もちいどの店。
「小さな本から大きな夢を」の看板をくぐって、2階へ。
この広さ、この照明の明るさ、どこかで見たことのあるような、
懐かしい感じの古本屋さん。元住吉にあった古本屋さんに似てるのか?


広くてたくさんの本があります。文庫や新書もたくさんあるし、
何かしら買えるものが見つかると思う。通路に重ねられている本も、
面白そうなのがあるので、じっくりと探検したいお店。
重ねられている本の一番上に、オカタケ師匠の本も発見。
岡崎武志古本病のかかり方』(東京書籍)


購入。フジケイ堂もちいどの店。
内田樹街場の教育論』(ミシマ社)


うう、内田樹の本は新刊書店で買っておきたいところだったが、
ミシマ社さんの本は新刊書店で買っておきたいところだったが、
帯もついて状態も良くて数百円だったこいつを諦めきれなかった。


センター街へ出ると、妻の姿は見えない。
とりあえず、奥へ進もう。次に出てくるのは、
智林堂書店。店頭に安い文庫・新書もあるけれど、
中にもたくさんの文庫・新書。そして、例の、
ケストナーの『人生処方詩集』*2が売っているのです。


初版・帯つきだけど、800円。こないだも見送ったが、
今回も見送り。なんなんだろうな、この見送るときと、
買っちゃうときの分かれ目ってのは。


たぶんすごくいい文庫が揃っているんだろうけれど、
ブンガクに詳しくないぼくにはそのありがたみが半分も分からない。
ちくま文庫とかけっこうあるのは嬉しい。
このお店も、ゆっくりと見たい。


センター街へ出ると、やっぱり妻の姿は見えない。
とりあえず、奥へ進もう。次に出てくるのは、
朝倉文庫。店に入るにはビニール製の暖簾をくぐる。
ほとんどの本にパラフィン紙?グラシン紙?が巻かれて、
背表紙に手書き文字でタイトルが書いてある。
目が慣れないと、なかなかアタマに入ってこない。


このお店もまた、たぶんすごくいい文庫が揃っているんだろうけれど、
ブンガクに詳しくないぼくにはそのありがたみが半分も分からない。
そのうち、本をたくさん読んでいけば、わかるようになるのかも。
どうかしらね。あんまし、知らない本に冒険しないからね、僕は。


センター街へ出ると、それでも妻の姿は見えない。
とりあえず、奥へ進もう。十月書林。
オカタケ師匠の本では「本格的な装置でジャズを店内に流していた」*3
とあったが、今日、聞こえていたのはテレビの声でした。
ここでも欲しい本を見つけられず。


このあたりの古本屋さんは、つん堂さんや古ツアさんも
記事にしてらっしゃいました。(今、見つけた)
・智林堂、朝倉文庫、十月書林@奈良:http://d.hatena.ne.jp/tundow/20110929
・9/4奈良で商店街筋三店+おまけ!:http://blogs.dion.ne.jp/tokusan/archives/8725790.html


妻と連絡が取れた。なら工藝館で合流して、
今度は酒仙堂へ。どこだ、どこだ。あった。
なんとも入りにくい店構えだが、外に棚があり、
チラシやら本が並べてある。ここで気持ちを落ち着けて、
いざ、店内へ。タバコを吸いに出る店主と遭遇。
すれ違って入った店内で、しばしひとりになる。


玄関にあたるような場所、たたき?みたいなとこに、
本棚がいくつか並べてあって、意外に新しい文庫本などもある。
途中まで見たあたりで、「奥にもあるからあがってくださいね」
とタバコから戻っていた店主に声を掛けられる。


それでは、失礼、と靴を脱いでたたみの上にあがる。
なんか不思議な気分。食に関する本や旅の本など、
微妙にテーマ別になっている。面白い。
かかっている音楽もなんかすてき。


入り口そばにあった本をレジに持っていくと、
「その先にもあるからよかったら見てって」
と言われる。店主の居住ゾーンかと思っていた奥の部屋も、
いちおう売り場になっているみたい。覗きにいったら、
本の本とか並んでいてワクワクどきどき。昔のおもちゃも、
売っているみたいでした。でもFAXとかもあるから、
やっぱり自宅にお邪魔してるみたいで緊張する。


購入。酒仙堂。
今江祥智さよなら、ピーター・パン―子どもの国からの挨拶、また (福武文庫)』(福武書店


寒さに震えながらいったん帰宅。
途中買ってきたミスドのドーナッツとコーヒーで一服して、
再び寒空の下へ繰り出す。平城宮跡あたりから山焼きを見ようと、
歩く道すがら、すでに花火があがり始めている。ああ、冬の花火
太宰治のセンチメンタルかと思っていたが、案外、伝統行事なのか、
冬にも普通に花火があがっているよ。そういえば、
ディズニーランドでは毎晩、あがっているしね。


途中、イトーヨーカドーの上の、元展望レストランみたいなとこで、
見えるんじゃないかという妻の提案に乗っかって訪ねてみると、
Socks Museum SKY というミュージアムには、けっこうな人が、
山焼きを見物していました。うーん、山火事だな、あれは。


人々の頭の間から眺めていたら、18:45くらいになって、
パッパッと電気がつきはじめた。ミュージアムのサービスで?
少しの間だけ見やすいように消灯してくれていたようだ。
しかし、この点灯のタイミングは何きっかけなんだ?


帰りしな、ふとイトーヨーカドー店内に本屋はないのか、
と思って案内を見たら、あるみたい。妻にねだって時間をもらう。
くまざわ書店奈良店だ。あまり期待しないで向かってみたら、
あれ、案外、奥のほうまであるぞ、ありゃ、広いなこりゃ。
本の本とか、けっこう充実してました。うーん、嬉しい。


気になる新刊。(既刊もあるデヨ)
伊波英吉『スクラップメイドのインテリア』(グラフィック社)
紀田順一郎飛ぶ読書室―この本がおもしろいよ (進学レーダーBooks)』(みくに出版
筒井康隆漂流 本から本へ』(朝日新聞出版)
NPOブックスタート赤ちゃんと絵本をひらいたら――ブックスタートはじまりの10年』(岩波書店
彦根明『最高に美しい住宅をつくる方法 (エクスナレッジムック)』(エクスナレッジ
五味太郎ときどきの少年 (新潮文庫)』(新潮社)
橋本治大不況には本を読む (中公新書ラクレ)』(中央公論新社


『ときどきの少年』の表紙の絵、すてきだ。