本屋さんへの愛を表現しているか

自分の仕事をつくる (ちくま文庫)


読了。
西村佳哲自分の仕事をつくる (ちくま文庫)』(筑摩書房


不思議な本だった。
多くの引用や取材が並べられているのだが、
著者の主張に沿ったものを都合よく羅列している、
という印象にはなっていない。なんだこれ。
でも、むしろ著者の主張は、響いている。

本を読み進めながら感じるものがあったとして、それは一人ひとりの内側の「なにか」が反応して浮き上がってくる動き、あるいは共振だ。読み手にとって読書の効用とは、自分の中にある「なにか」に気づくこと、それと出会うことにあると思う。(p.315)


読者の、介入する余地が用意されているのか?
うーむ。再読したい、またそのうちに。
巻末に、索引、参考文献リストがついているのも、よい。


こちらは孫引きになってしまうようだが、273ページに、
荒俣宏氏による昔の名建築の定義を紹介している。


「驚きを与える」
「英知を結集している」
「なにがしかへの愛を表現している」


この「とり本屋」でも、目指して行きたいね。
三番目は、本屋さんへの愛、だね。