果てしない物語の果て
読了。
村上春樹『ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)』(新潮社)
詳しくは知らない、というか調べていない。
たしか単行本の頃には、まだあまり興味を持っていなかったので、
ねじまきのシリーズが、最初第2部まで出ていて、
けっこう経ってか第3部が出たという事情が、
意識にのぼることはほとんどない。
こないだ読んだ河合隼雄と村上春樹との対談に出てきたとき、*1
「あー、そうだったんだ」と毎回、知り直すくらいのものだ。
だけど、今日、この第2部を読み終えるとき、巻末に、
「(第3部 鳥刺し男編につづく)」と書いてあるのを見て、
「このように書いてなかったら、物語をここまでと思うんだろうな」
と思った。それはいったい、どんな気分なんだろ。
「ハードボイルドワンダーランド」*2 *3の読後感に、
似ている感じなのかしら。あれも、ほんとに、
あそこで終わってほしくなかったんだよね。
幸いにも、ねじまきには、続きがあった。
「物語は終わってしまった、と落胆したあとに、
つづきがもたらされる体験」は、永遠に失われているが。
*1:河合隼雄、村上春樹『村上春樹、河合隼雄に会いにいく (新潮文庫)』(新潮社)