2009 五本の指

明けましておめでとうございます。


2009年、五本の指

い:レイモンド・チャンドラー村上春樹ロング・グッドバイ (Raymond Chandler Collection)』(早川書房

ろ:内沼晋太郎『本の未来をつくる仕事/仕事の未来をつくる本』(朝日新聞出版)

は:松岡正剛多読術 (ちくまプリマー新書)』(筑摩書房

に:堀部篤史本を開いて、あの頃へ』(mille books/サンクチュアリ出版)

ほ:長嶋有猛スピードで母は (文春文庫)』(文藝春秋


本の本が多いなー。それだけ、「本を読まなくちゃ」
とか、「本に触れていたい」という気持ちが強かった、
それは同時に、本との時間が少なくなっていることへの、
恐怖でもあるような気がします。


それにしても、内沼さんと出会えたのは良かった。
こないだのトークもあって、少し読み直したのだが、
『本の未来をつくる仕事/仕事の未来をつくる本』は、
折に触れて読み直したいと思う。本のことだけでなく、
働くこと、生きることへの意欲が沸く好著。


『多読術』も、やはり本を読むことへの意欲をかきたててくれる、
頼もしい一冊。松丸本舗へも、早く詣でたいところ。
『本を開いて、あの頃へ』は、堀部さんの魅力、というか、
僕が大好きな恵文社一乗寺店の魂を再確認できたということが、
なんとも嬉しかった。こないだ、レジうってた堀部さん。
なるべく長く、現場で働いていて欲しいと思う。


小説が2冊。
ロング・グッドバイ』は、文句なし。
長嶋有のほうは、実はけっこう迷ってしまって、
『猛スピード』以外の2冊も、捨てがたく。


長嶋有、昨年はこの3冊を読んだ。
長嶋有猛スピードで母は (文春文庫)』(文藝春秋
長嶋有タンノイのエジンバラ (文春文庫 (な47-2))』(文藝春秋
長嶋有パラレル (文春文庫)』(文藝春秋


『猛スピード』は、過去の苦手意識を覆した、
ということで、芥川賞作品&文學界新人賞作品収録の、
こいつに決めました。長嶋有、もう、好きと言って、
間違いない。今年も、積極的に漁っていきたい作家。
その他、小説では、これも良かった。
江國香織間宮兄弟 (小学館文庫)』(小学館


例年通り、村上春樹もたくさん読みました。
村上春樹カンガルー日和 (講談社文庫)』(講談社
村上春樹やがて哀しき外国語 (講談社文庫)』(講談社
村上春樹1Q84 BOOK 1』(新潮社)
河合隼雄村上春樹村上春樹、河合隼雄に会いにいく (新潮文庫)』(新潮社)
村上春樹ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)』(新潮社)
村上春樹ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)』(新潮社)
村上春樹ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫)』(新潮社)


1Q84』BOOK2を読むタイミングを逸してしまったのが、
非常に残念。2冊続けざまに読んでいたら、間違いなく、
ランクインさせていただろうに。ていうか、BOOK2の前に、
もう一回、BOOK1を読み返さなきゃだよ。
BOOK3も意外と早く刊行されそうだし。


カンガルー日和』、『やがて哀しき外国語』と、
新しく読めたのも良かった。村上春樹の本は、
タイトルだけはもう何度も目にしているから、
つい先入観というか既視感を持ってしまいがちだが、
未読の面白春樹本は、まだまだあるのだと思う。


生誕100年ということで盛り上がった太宰熱に感化されてか、
僕の中でも太宰治への関心が少しだけ高まったりして。


野原一夫『回想 太宰治 (新潮文庫)』(新潮社)
太宰治長部日出雄富士には月見草―太宰治100の名言・名場面 (新潮文庫)』(新潮社)
太宰治人間失格 (新潮文庫)』(新潮社)


本人の作品は『人間失格』しか読み直していないが、
『回想 太宰治』が、かなり良かった。『津軽』とか、
もう一回、読み直したいな。山岸外史の本とかも。


まんがも、わりと読んだ。
荒木飛呂彦ジョジョの奇妙な冒険(集英社文庫―コミック版)』(集英社
あだち充『H2』(小学館
手塚治虫アドルフに告ぐ 新装版』(文藝春秋


ジョジョ、文庫版で第三部を、やっと全部読んだ。ちゃんと読んだのは、
初めてだったかも。やっぱ、第三部が、面白いね。
H2も、中断をはさみつつ。あだちの野球漫画は、面白い。


また、昨年は、読みさしで他の本にいってしまったり、
読了しても記事にできなかったりして、「中途」というキーワードで
くくれてしまいそうな一年でもあった。
気になっているのが、こいつ。
長田弘問う力 始まりのコミュニケーション―長田弘連続対談』(みすず書房


再読の涙。
大崎善生聖の青春 (講談社文庫)』(講談社


大阪の本屋さんにも、行きました。
スタンダードブックストア:http://www.standardbookstore.com/
ここは、とても素敵な本屋さんです。


バイトの前後にけっこう図書館に行ったり、借りたりした。
2月に読んだこいつのおかげで、行き始めたのだ、たぶん。
永江朗不良のための読書術 (ちくま文庫)』(筑摩書房


その他、こいつらも、良かった。
濱野智史アーキテクチャの生態系』(エヌティティ出版/NTT出版
藤井大輔「R25」のつくりかた (日経プレミアシリーズ)』(日本経済新聞出版社


今年は、ツイッターなども駆使しつつ、*1
読了の記録などを漏れなく更新していきたいな、
と思いつつ。この記事も、あと追いだしな。


よろしくどうぞ、お付き合いくださいませ。