武器か楽器か、はたまた本か

走って電車に間に合った。
今日はサンドイッチを買う暇はなかった。靴をはくとき、
昨日買った文庫と手帳が鞄に入ったままなことに気付いたが、
これを取り出していては間に合わない、とそのまま駆け出す。
正解だった。


車中のとも。
龍應台、天野健太郎台湾海峡一九四九』(白水社


「残酷な仕打ちとは、不安な気持ちから来るのである」(p.98)


痛ましい。他人事ではない。不安なあまり、
残酷な仕打ちに手を染めたくない。


気になる新刊。
後藤正治天人 深代惇郎と新聞の時代 (講談社文庫)』(講談社


本を買って帰ろうかとも思ったが、
鞄には昨日買った本すらそのまま入っていて、
おまけに『台湾海峡』はずっしり重たいものだから、
またにしよう。そうしよう。


車中のとも。
龍應台、天野健太郎台湾海峡一九四九』(白水社

軍楽隊を温存して入国させたあの決定と行動は、彼の心に新しい価値観をしっかり植え付けた。それは文明であり、教養であった。そして戦争という地獄から脱出したフレンチホルンは、天使の武器のようにどこまでも優しかった。(p.116)