とほんおさめ2017「散財」


今日のミッションは、枕元に置くためのラッピング。
あとハンバーグ、子どもの歯医者。その前に、とほんおさめ。


大和西大寺から近鉄郡山までの時間は短いから、
たくさんの電車や冬枯れの山や、踏み切りなんかを眺めながらゆく。


TLにて、今日が展示の最終日であることを知る。
日下明『はかりきれない世界の単位展」@とほん*1
もう午後1時も回っていたけれど、空腹のまま、
とほんさんに行くことにする。ラッピング、
ハンバーグ、歯医者。早めの退散のため、
おなかの虫にも協力してもらうのだ。


などといきまいて、モスバーガーを横目に、
四つ角を曲がって柳三丁目を進めば、暖かな陽光。
しだいにのんびりした気分が育っていくのを感じる。
これは、長居も覚悟せねばなるまいて。


ビニールのれんで店内の暖気を確保している。
中にもお客さんがいたので、スナガワさんにご挨拶だけして、
まずは廊下にある絵から見ていこう、と、絵の前に立ったのだが。


参った。すごい良かった。体の表面近くにある何かが、
とかされていくような感覚。お風呂に入ったときと、
似て非なるほどけぐあいに、深呼吸を重ねる。


絵を買うか悩む。飾るとこは、ない。
ふたたびビニールのれんを越えて、今度は背表紙にとりつく。
今日はもともと、たくさん買うだろうつもりで来ていた。
こないだ忘年会で仕入れた「欲しい本情報」もあったし、
夏葉社の新刊も出ているし。けれども、予想外の、
日下明さんの絵が良すぎで動揺している。
店内にも絵が数点あり、ポストカードも。


オザワさんおすすめの岩波書店のアレは、
幸いにも売り切れていた。穂村弘の新刊も、
片方しかないから今日はパスだ。あれと、これと、
候補の本を指折り数えながら、絵について常に考えている。
スナガワさんとお話しながら突然、僕が迷っている絵は、
『はかりきれない世界の単位』*2には収録されていない、
「オリジナル作品」*3だということを知る。


参った。


買った。


とほんおさめ。過去最高に散財。いい時間を過ごせた。
ほんと、末長く繁盛してもらいたい。あと50年くらい通いたい。


購入。とほん。
石亀泰郎『ふたりっ子バンザイ―石亀泰郎写真集』(夏葉社)
菅俊一『観察の練習』(NUMABOOKS)
ブレイディみかこ子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から』(みすず書房


絵は、展示してあるものはすでに買い手がついていたので、
年明けに改めてお送りいただけるとのこと。楽しみだ。

*1:http://to-hon.blogspot.jp/2017/11/blog-post.html

*2:米澤敬、日下明『はかりきれない世界の単位』(創元社

*3:日下さんが所属する絵と音と言葉のユニット「repair」の考えた架空の単位