幸福と寂寥の詰め合わせ

雑誌、51梱包。
イチロー、と頭の中でコールする。
今までは、孤独なコールだったけど、
水無瀬で夏を終わらせてきたぼくには、
このコールを知らせる相手がいるのだ。


放課後、飲み会。
調子に乗って、しゃべりまくる。
それほど飲んではいないのだけれど、
コンディション的にはわりときわどい。
うまくセーブしたほうだと言っておこう。


Gmail のフォルダに待ちわびていたメールを発見。
開く前に息を止めて、拒絶のことばを覚悟してから、開いた。
だいじょうぶだった。


いくつかのドアは、開かれている。開かないドアはほっておいて、
開かれているドアを抜けて会いにゆこう。そうしよう。


迷った末に、5分早い特急に乗って9分早く近鉄奈良に帰ることにする。


車中のとも。
岩瀬成子オール・マイ・ラヴィング (小学館文庫)』(小学館文庫)

ビートルズはわたしの血だった。わたしの背骨はビートルズだった。(p.111)


喜久子のことを思いながら、iPod で「ア・ハード・デイズ・ナイト」を流す。
岩瀬成子も、中学生の頃、ビートルズをむさぼっていたのだろうか。


喜久子がレコード買った、iPod からは、「レット・イット・ビー」。
この時の喜久子はまだ知らない曲だけど、そこに「優劣」はない。
喜久子は映画館でともだちとビートルズ映画を観て、
ビートルズのLPを買う。ぼくは特急に乗って、
iPodビートルズを聞く。本を読む。


本を読んだり本屋さんに出かけたりする幸せ、iPod で音楽を聞く幸せ、
仕事させてもらう幸せ、帰る家のある幸せ、ともに暮らすひとのある幸せ。
バチがあたるなら、あたれ。もうおなかいっぱいだ。


ありがとうございました、人生。