寝た子を起こさず本を読め

ゆうべの夜ふかしで相当な眠気を目の前にぶらさげながら、
なんとか身支度をして、上の娘を自転車に乗せて小学校へ。
保育園最後の運動会、という感慨は特になく、それでも、
リレーで走る姿に「あれがほんとうに娘か」と目を疑う。
眠かったわけではなかろうが、全力で走る娘の姿は、
あまりに見慣れないので分かっていても別人のよう。


ほとんどわけの分かっていないまま、
あっちこっちに移動させられただけの下の娘の方が、
ぐっすりと昼寝。父親も横でご相伴にあずかっている間、
妻と上の娘は買い物に出かけてしまった。目が覚めて、
ときどき目覚めそうな娘の動きにドキドキしながら、
何か本を読もうかと、本だまりに足を運ぶ。


読了。
高山佳奈子共謀罪の何が問題か (岩波ブックレット)』(岩波書店

 政府・与党が、答えの明らかな質問に対してまで回答を拒み、重要法案の審議をルールに反して先送りにし、立法事実のない法改正を急いでいる理由には、謎が多いことは確かです。
 しかし、それと同時に確かなことは、共謀罪立法の成立が、警察の権限を拡大し、不正疑惑から国民の目をそらし、米国の世界戦略を利する効果を有することです。(p.67)


無能なとりのさえずりが歯がゆい。
せめていろいろな意見に耳を傾けて、
自分の思いを確かなものにしたいと思う。
読み終えたところで、娘が目覚めた。


ただ娘がぐずるという状況すら、
本を読み、社会を知ることから逃れる言い訳になりうる。
逃れた先に、娘たちの幸福があるかは、心もとない。