ルイーダの酒場に本を並べて

まんが親 5 (ビッグコミックススペシャル)


送品表を見て、女性誌の発売日だと気づく。
うかつ。最近、自分の休みの日に雑誌を見てくれる人が変わり、
ものすごい勢いで返品されまくっていて、苦々しくも、
売り場が爽快なくらいスカスカになって、
品出しがスムーズになっている。


車中のとも。
藤野貴教『2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方』(かんき出版)

ドラゴンクエストでいえば、まず個人の達成したい課題があって、ルイーダの酒場に行って仲間を増やす」(p.174、丸幸弘)


ドラクエ出てくるとワクワクするのは、ファミコンお預け家庭出身あるある。


ファミコンお預け家庭:「目が悪くなる」などの理由からファミコンを子どもに買い与えない家庭。
子どもはファミコンを持っている友だちの家に遊びに行ってゲームをさせてもらう。
ドラクエを他人の家でプレイするのは至難のわざ。


来週、幼年誌とりなちゃが連続で来るらしいことに気づき、
憂鬱になる。自分の定休日に幼年誌が発売になって、
翌日にりなちゃが来る、というパターンは、
初めての巡り合わせな気がする。ううむ。


退勤後、天満へ。初めて降りた。
ぶらぶらと商店街を歩きながら、
ちょいちょい現れる古本屋に身を投じる。
天牛書店天神橋店にも初めて入った。
想像と違ってえらいおしゃれな感じ。
かなりワクワクさせられたが、
一冊も買えず、無念。


そうこうしているうちに、
トークイベントの開始時間が過ぎていた。
勝手に19時半スタートだと思い込んでいた。
慌てて暗くなった路地を小走りでゆく。


ASIA BOOK EXHIBITION in Mebic Ogimachi オープニングトーク
http://www.mebic.com/event/6182.html


左端に司会の綾女欣伸氏、順に、イ・ギソプ氏、
田中佑典氏、ヴィンセント・チェン氏。
僕が席についたときは、ヴィンセント氏の自己紹介が終わるあたり。
三か国語の飛び交うトークは、非常に刺激的であったけれど、
通訳を介してのやりとりはどうしても時間がかかってしまい、
もっともっと話を聞きたいな、というもどかしさも感じた。
まぁ、無料トークだけで退散した身で、何を言う、
ということですけれど、はい、すみません。
(ていうか、そもそも遅刻すんなっていう)


そうね、正直言って、来るまではそれほど期待していなかった、
というのが本当のところで、「もっと聞きたい」とまで思わせられたのは、
綾女さんの冷静な仕切りで、興味深い話をいろいろ聞くことができたから。
ことばの通じない隣りの国にも、本を扱う熱い人たちがいることを知って、
胸が熱くなった。少しだけ、視野が広くなったような気分。
前夜祭に参加してみたい気持ちもちらりとわいたけれど、
おとなしくエスカレーターに乗って会場を後にする。


ゆっくりと本を選ぶ空間を作りたい、
というヴィンセント・チェン氏のことばが、しみた。


不用意にわきだしたセンチメンタルを鎮めるために、
iPodで世田谷ピンポンズを聞く。単行本を手にしたおっさんが、
環状線に駆け込んできた。目を凝らしたが、どの店のブックカバーか、
分からなかった。おっさんは乗るなり本を読みだした。右手につり革、
左手に単行本。みごとな読みっぷり。


近鉄線に乗り換えても本を読む気になれず、
そのまま世田谷さんの歌を耳に流し込みつつ、
TLをさかのぼっていく。電車を降りて、家に向かう道でも、
ずっと聞いていた。イヤホンの隙間から風が鳴っていた。


家に帰ると、郵便受けに定期購読している『本 6月号』(講談社)が届いていた。
宇田さんのを読む。やっぱいいなー。ラヒリの本も読みたいなぁ。(←積んである)
奥野修司さんの新連載「愉快な認知症」も読んだ。長かったけど一気読み。


シャワーを浴びたり、パソコンをのぞいたりしているうちに、
寝ていた妻が起きてきて仕事を始めた。歯みがきしながら、
ふと読み始めたこれを、そのまま読み干してしまった。


読了。
吉田戦車まんが親 5 (ビッグコミックススペシャル)』(小学館


1時を回っている。明日、娘たちの運動会なんだが。