本と勇気と、友達と

落穂拾い・犬の生活 (ちくま文庫)


送品表をチェックしたあと、ずるずるとTLを見てしまい、
生駒を過ぎてから本を取り出す。ドキドキしながらも、
鶴橋に着く前に読み終えることができた。


読了。
八木幹夫『余白の時間 辻征夫さんの思い出』(シマウマ書房)


良かった。今日読んだところなど、ほんとうにわずかなページなのだけれど、
スッと周りが静かになる感じがあった。こういうささやかな読書の効き目みたいなのを、
きちんと「栄養」にしたいと思いつつ、いい気分になって、それでいいじゃないかとも。


退勤間際に思い出した書類仕事に手間取って、
だいぶん、遅くなってから家路についた。


車中のとも。
小山清落穂拾い・犬の生活 (ちくま文庫)』(筑摩書房

友達は持てるぞ、友達は持てるぞ、そんなことを思い、心は楽しくさえなってきました。(p.16)


正直、「わが師への書」と「聖アンデルセン」は僕には読みにくい文章だった。
「落穂拾い」に入って、おや、と思った。いいかもよ、と思った。
以前はたぶん、「聖アンデルセン」の途中でやめてしまった。
あの時は途中で読みやめる勇気があったのだ。


途中でやめる勇気のない奴がたどり着ける文章、
ってのもある。もちろん、ひとにすすめるようなことでもないが。
もう少し早く席があいて座ってしまっていたら、たぶん眠っていただろう。
そうしたら、明日は別の本に換えていたかもしれない。


その文章にたどり着けるかどうかというのは、
ほんとうにさまざまな奇跡が重なりあってこそなのだと思う。
その本を入手しただけでは、まだ道なかばなんだな。


こないだ買った、『花生活のたね』*1を妻に贈る。
ひとが本をめくる様を眺めるのも、いいものですね。