こんなところで、『図書』に会えた

穂村弘の、こんなところで。


今日は、一本早いのに乗れそうだ。
ちょっときわどかったが、売店で飲み物を買った。
昨日は甘くないのを買ってあまり美味しく思えなかったので、
またいつもと同じ甘いやつにした。早晩、病気になるかもしれません。


車中のとも。
小山清落穂拾い・犬の生活 (ちくま文庫)』(ちくま文庫


「桜林」も面白い。思い出すままに昔がたりをしていく風の語り口は、
どこかで読んだように懐かしいが、最近はほとんど読んだことがない。
「日本文学」的な文体なのかしら。教科書に載ってる小説を読んでいる感じ。
中高生のころに、息をひそめて読みふけっていたときの、感じ。


少しだけ早く退勤。かなり迷ったが、
『BOOK MARK』*15号を求めて大阪へ寄り道、回り道。
横綱には当然あるだろうと思っていた『図書』*2を探すも見つからず。
『BOOK MARK』と『ぶんこでいず』をいただく。


気になる新刊。
関西で観る 絶景紅葉 (えるまがMOOK)』(京阪神エルマガジン社
写真:キッチンミノル、詩:桑原滝弥『メオトパンドラ』(フォイル)
穂村弘穂村弘の、こんなところで。』(KADOKAWA
香山滋ゴジラ (ちくま文庫)』(筑摩書房
ピエール・バイヤール、大浦康介『読んでいない本について堂々と語る方法 (ちくま学芸文庫)』(筑摩書房


『関西で観る 絶景紅葉』版元さんから送られてくるポスター、
掲示にあまり熱心でないのだが、これはさすがにきれいですぐに貼った。


『メオトパンドラ』キッチンミノルさんだ、と思って手に取り、
ぱらぱらしたら近藤良平さんが出てきてびっくりした。
AERA』での連載「はたらく夫婦カンケイ」の書籍化。
見覚えがあるように思ったのは、『AERA』で見たのか。


穂村弘の、こんなところで。』写真も、いい。
そりゃ、荒木経惟ですから、いいに決まってるか。
41人、豪華な顔ぶれは以下の通り。


本谷有希子(劇作家・作家)
朝吹真理子(作家)
藤田貴大(劇作家・演出家)
尾川智子(プロフリークライマー)
康本雅子(ダンサー・振付家)
西川美和(映画監督)
蒼井優(女優)
岸本佐知子(翻訳家)
渡辺ペコ(漫画家)
皆川明(mina perhonen デザイナー)
川上未映子(作家)
名久井直子(ブックデザイナー)
武井咲(女優)
吉原由香里(囲碁棋士)
松田青子(作家)
枡野浩一(歌人)
伊藤沙月(アマチュアボクサー)
鳥居みゆき(芸人)
綿矢りさ(作家)
金沢百枝(美術史家)
平松洋子(エッセイスト)
瀧波ユカリ(漫画家)
藤野可織(作家)
瑛太(俳優)
陣崎草子(絵描き・歌人)
二階堂ふみ(女優)
大西麻貴(建築家)
西加奈子(作家)
青葉市子(音楽家)
鴻巣友季子(翻訳家)
メレ山メレ子(エッセイスト)
滝川クリステル(フリーアナウンサー)
松任谷由実(シンガー・ソングライター)
橋本麻里(美術ライター)
ハルカ(ミュージシャン)
金森穣(演出振付家舞踊家)
宮本信子(女優)
伊奈川愛菓(女優棋士)
松本望(作曲家・ピアニスト)
飯島奈美(フードスタイリスト)
荒木経惟(写真家)


購入。紀伊國屋書店グランフロント大阪店。
内田樹平川克美名越康文僕たちの居場所論 (角川新書)』(KADOKAWA/角川書店


巻頭の平川さんの文章を立ち読みしたらぐっときてしまった。
この新書は、出ていたことも知らなかった。ずいぶんと内田樹熱も冷めてしまった。
齋藤孝のときと似ているな。食傷してしまったんだな。


さて、『図書』だ。日曜日、イトーヨーカドーに行くときに、
くまざわ書店を覗いてみようか、とも思うがどうだろう。
無いとなるとがぜん、所有欲がかき立てられ、
Twitter検索などして、火に油をそそぐ。


ふと、啓林堂のことが思い浮かぶ。
あすこには、岩波書店の本がけっこうあったよな。
ともかく、奈良に帰りましょう。


車中のとも。
小山清落穂拾い・犬の生活 (ちくま文庫)』(ちくま文庫


「桜林」良かった。「落穂拾い」から後は、ぐっと良くなった。
「わが師への書」と「聖アンデルセン」は、僕を先に進ませないための、
門番みたいなものだったのかなどと思ったり。

私にはむかしから羊羹や沢庵をうすめに切るくせがある。私はこの際自分のそういう性質を改良すべきだと思った。(p.216)


「犬の生活」が、実によかった。これはちょっと、
いい本を読んでいるんじゃないか、という感触を、
今さらながら自分に確かめて鞄に文庫をしまう。
うーむ、初読中断のときは何だったのか。


近鉄奈良に着いて、妻に頼まれた買い物の前に啓林堂に立ち寄ったら、
3冊の『図書』が残っていた。ありがたい。村上春樹の文庫をあわせてレジへ向かう。
灯台もとくらし、ってやつですね。大阪まで行ったのになぁ。


購入。啓林堂書店奈良店。
村上春樹女のいない男たち (文春文庫 む 5-14)』(文藝春秋


装丁に使われている写真が、ちょっと良かった。
単行本の装丁を思い出そうとしたが、うまく思い出せない。


妻子が寝てしまってから、『図書』を持って、
本棚の部屋に行ってぐじゃぐじゃに置かれた本の隙間に座って読む。
夏葉社島田潤一郎さんの、「九〇年代の若者たち」を読んだ。
島田さんと同じ時代に生きていて嬉しく思った。


島田さんの文章が好きだし、講演で聞く島田さんのお話も好きだし、
飲み屋でニコニコしている島田さんの様子も好きだ。

*1:金原瑞人オフィシャルホームページ BOOKMAR:http://www.kanehara.jp/bookmark/

*2:図書 2016年 10 月号 [雑誌]』(岩波書店