新鮮な文庫を汚しながら読め
小走りの強弱つまみの操作で間に合うなら、
あと5分早く起きるという選択は採用されない。
弁当や朝食用おにぎりやらをかばんにつめこんだら『多聞典』*1が入らなくなって、
目に入った文庫をひっつかんで、家を飛び出す。小走り、強。
車中のとも。
ジョン・レノン、オノ・ヨーコ、アンディー・ピープルズ、池澤夏樹:訳『ジョン・レノンラスト・インタビュー』(中央公論新社)
双子のライオン堂でもらったカバーを巻いた文庫、
「新世紀にジョンとヨーコを読む」という池澤夏樹の文章を読む。
911から15年。ジョンの死から36年、か。
ジョンとヨーコの出会いの話。リンゴ、新鮮なリンゴ。
出会いのエピソードは、どの出会いだってスリリング。
ジョンが「ビートルズのない人生」について考えたときの話も、
ぐっとくる。
気になる新刊。
レイ・ブラッドベリ、伊藤典夫『十月の旅人 (ハヤカワ文庫SF)』(早川書房)
レイ・ブラッドベリ、伊藤典夫コンビは、『華氏451度』*2の。
購入。啓林堂書店奈良店。
岡崎武志『読書で見つけた こころに効く「名言・名セリフ」 (知恵の森文庫)』(光文社)
中に折れがあったので棚に戻しかけたが、オカタケさんを好きな僕が買えないなら、
誰がこいつを引き取るのか、返品されちまうぜ、と思って、買った。
軽い「美本ちゃん」を患っている僕にもそろそろ、
快復の兆しが見えてきたということか。
とは言え、装丁が「売り」みたいな本なら、やっぱし美本がいい。
こないだ買ったオカタケ師匠の『ここが私の東京』*3とか。
レジの内側にいると、多少の傷みがある本でも買ってくれるお客さん、
ありがたいんだけどね。そういうお客さんに少しずつ、
「美本ちゃん」を治してもらっているのかも。
「読んでるうちに汚れるから、いいんですよ」
家に帰ると、『ちくま文庫解説傑作集2』が届いていた。
オカタケ師匠が魚雷さんの『本と怠け者』*4に寄せた「魅力的な『怠け者』たち」も収録。
*1:矢萩多聞『インド・まるごと多聞典』(春風社)