散る桜、光る葉桜、38まで
目のはしに、桜を探す。
佐保川沿いの桜も、だいぶ散ったようで、
なぜだかホッとするような感じ。そうして、
送品表に視線を戻す。早くチェックを終わらせて、
多聞さんの話を聞きにいかなくちゃ。
「『どの神さまも信じていない。お祈りを楽しんでいるんだ』」(p.97)
毎回、ぐっとくるな、このことば。
「売りたい気持ちは山々だが、下品にはなりたくない」(p.123)
これもまた、毎回、考えさせられるところ。
下品になることを恐れて、売りたい気持ちを見失っているわたし。
「そうだよね、やっぱり無理か、とあきらめかけたとき、一通の手紙が返ってきた」(p.134)
またここで鳥肌が立つ。『インド・まるごと多聞典』*1読まなきゃだな。
「デザイナーがどんなに偉そうなことを言っていても、最終的に本のかたちに仕立てあげるのは、現場の職人だ。裏方に徹して、本の奥付にも名前は出てこないが、彼らなしには一冊の本もつくれない。紙メーカーの工場職員から、配送業者にいたるまで、本づくりは彼らのおかげで成り立っている。(p.173)
多聞さんに恥ずかしくないような働き方をしたい。
気になる新刊。
太宰治、朝吹真理子、西加奈子、津村記久子、佐藤友哉、村田沙耶香、青木淳悟、滝口悠生『30代作家が選ぶ太宰治 (講談社文芸文庫)』(講談社)
夏目伸六『父・夏目漱石 (文春文庫)』(文藝春秋)
『30代作家が選ぶ太宰治』帯にて、享年38と知る。
『父・夏目漱石』解説は、半藤一利。立ち読みした。面白そう。
*1:矢萩多聞『インド・まるごと多聞典』(春風社)