遠い4月、近い4月、嘘と桜と感傷と

私の本棚 (新潮文庫)


傘を持って出たが、こぶり。
ギリギリの時間だったので、
差さずに走る。小走る。
視界の端に桜。
咲いてる。


電車の中に、新入社員っぽい女の子。
そうか、今日から4月だった。ぼくは、
新入社員だったことはないので、代わりに、
大学生だったころの4月について思い出した。
年度頭だけ、朝から自転車がたくさん走って渋滞する、
あの道の名前はなんだったっけ。ペディ、キュア、じゃない。


車中のとも。
新潮社編『私の本棚 (新潮文庫)』(新潮社)


椎名誠の「消える本箱」読んだ。確かに子どものころは、
「本箱」って言ってた気がする。本にまつわる架空の罪状、
アリエナーイとは、笑い飛ばせなかった。僕だけでしょうか。


昼休みの終わりころ、休憩室にいた人たちの携帯電話が一斉に鳴り出し、
地震が来た。胸が苦しい。しばし呆然として、慌てて売り場に戻った。
照明器具が揺れているが、だいじはないようだ。積みすぎた『小一』も、
崩れていなかった。よかった。


今日、下の娘も保育園デビュー。
1時間そこいらだが、泣きっぱなしで、
何も食べなかったとか。上の娘はクラス替え後も、
仲良しの子と同じだったそうで、ごきげんであった。
どんどん大きくなる子らに、ほんのりさびしい気もしたが、
まぁ、そういうもんだ。吹けば飛ぶほどの感傷だ。


妻も子らも寝てしまってから皿を洗う。
iPod で何か聴こう。神戸に行ったときの、
世田谷ピンポンズプレイリストが待機中。


名画座」、「グッドバイ」、「天井の染みを数えている間に」、
「庭」、それから「紅い花」、「喫茶ボンボン」、「雨乞いの歌」、
「鴨川慕情」と。とてもいい。長谷川さんのこととか、
とほんライブのこととか思い出した。


思い出しついでに、当時の記事を読みなおしたり、
ここ何年かの4月の記事を読みなおしてしまった。
あぁ、自分ずき。思いのほか、4月1日の記事があったので、
もう眠ろうと思っていたのだが、いつかの自分のためにこれを書いている。
明日は、いつもより早く出勤していろいろと、
荷物を出したりなんだりしたいのに。


はてさて。


4月。始まりました。