昨日の意欲を、待つ

朝、ぐずぐずしてしまう。
かろうじて、前の日に妻の用意してくれた弁当をつかみ、
小走り(強)で近鉄電車に駆け込んだ。走りながら、
『飲み会の席で得た意欲は、長持ちしねぇな』と、
悲しい気持ちになる。いや、諦めるのは早い。
とりあえず、電車には間に合った。
昨日のバトンを落とさず、ゆこう。


車中のとも。
鷲田清一「待つ」ということ (角川選書)』(角川学芸出版


「『いま』の幅」のところ、面白い。
「いま」ということば自体も、そうだし、
「時間」という感覚、概念についても、面白い。


そして未来について。「予期ではない待機としての<待つ>」(p.28)とはなんぞや。

<待つ>にも同じように、何を待っているのか自身にもわからないような<待つ>があるのではないだろうか。そう、予期ではない待機としての<待つ>が。あるいはさらに、あらゆる予期がことごとく潰えたあと、諦めきったあとで、そこからようやく立ち上がってくる<待つ>が。(p.28)


勤め先に向かう途中、コンビニを過ぎたところで、
朝飯を持ってきていないことに気づいて、引き返す。
菓子パンを買ってのち、さらに勤め先に近づいたところで、
またちょっと引き返して、自販機であたたかいミルクティを買う。
今朝は、引き返してばかりだ。昔、父と登った山で道を間違えて、
引き返したときのことを思い出した。引き返せる父でよかった。
冗談抜きで、遭難してしまうところだった。僕はどうだ。
町中で、とはいえ、引き返すのが苦手だ。今朝は二度も、
引き返すことに成功した。いいぞ。


新しく、自分の引き受けなければならない仕事について、
丁寧に教えてもらった。ありがたい。昔から、食べるのは遅いけど、
なんとか残さずに食べることはできるので、がんばって「作業」を終わらせます。
とか言いつつ、ブックトラックに、何十冊もの補充入荷を置いたまま、退勤。
『女、今日も仕事する』を見つけてパラパラしたが、買えなかった。
じっくり検討する余力が残ってない。いろいろと無念だ。


外に出ると、さすがにもう暗い。19時半、
後ろに予定がなかったり、家で待ってるヒトがいない日は、
ズルズルと売り場で作業を続けてしまう。コンビニで、
チケット発券。これができただけで、
今日はよしとしよう。よし!


奈良に戻ってきて、さて夕飯をどうしよう。かなり寒い。
気になっていたビストロ中華へいぞうに、初めて足を踏み入れる。
カウンターで、ゆっくり食事とお酒。美味しかった。


玄関にベビーカーがなく、広い。
パソコンを立ち上げて、BGMにでも、と、
『日比谷、夕暮れ、ハンバートハンバート。』をセットして、
テレビをつけると、「SWITCHインタビュー 達人達(たち)」がやっていた。
そういえば、上橋菜穂子が出ると言っていたっけ。なんとなく見ていくと、
インタビュー相手として、 獣医師の齊藤慶輔という人が登場した。
目つきの鋭い齊藤慶輔氏がめっぽう面白くて、
そのまま最後まで番組を観てしまった。


齊藤センセイ、「私は白血球になりたい」言うてた。
すごいなー。著書もあるみたい。読んでみよう。
『鹿の王』も、面白そうだと思った。


これを書いている今、良成さんが「ジャージーボーイズ」の話をしている。