『冬の本』へ

次の本へ


珍しく日曜日に、しかもちょっと遅い出勤。
夜明け前の小走りに慣れてしまうと明るくなってから走るのは、
気恥ずかしい。それでもこの寒さでは、小走らざるをえない。
今日も入荷はないので、ゆうゆうと本を開く。


車中のとも。
次の本へ』(苦楽堂)


柴野京子氏は高野文子のことを。もう長いこと、
『黄色い本』*1を買うタイミングを窺っているのだが、
またここでも誘われた。『しきぶとんさんかけぶとんさんまくらさん』*2や、
『ドミトリーともきんす』*3の感想も、柴野さんに聞いてみたい
そして『書棚と平台』*4も、気になる。


カバーを外して裸本を鞄に入れて出かけることが多いのだが、
『次の本へ』を裸にすると青山大介さんの「海文堂書店絵図1914-2013」が
表紙に印刷されている。この絵図は、本の中にも時おり扉絵のように登場し、
挟み込まれている栞にも使われている。いろいろな思いが胸に去来す。


坂口尚『石の花』*5気になる。紹介していたすがやみつる氏、知らんなぁ、
と思いつつ著者紹介読んでたら、『ゲームセンターあらし』の作者!
随時感想をツイッターで呟いていたら、この「知らんなぁツイート」*6が、
すがや氏ご本人に発見され、「ぜひご一読を」コメントいただいてしまいました。*7冷や汗、冷や汗。


鈴木光司氏の紹介は白石一文の『神秘』*8ポール・オースター『トゥルー・ストーリーズ』*9
白石一文について「様々な著作から引用した文章を自身の小説に埋め込み、
主人公の視線で批評を加えるという手法を取る」と書いている。気になるな。


働きながら、明日遊びに来る友人夫妻に、
『冬の本』を贈りたくなってくる。この思いつきが、
ひどいひとりよがりで、彼らに迷惑をかけてしまうのではないか、
と自分に反論してみる。迷惑ではないだろ、とすぐに論破。
けれどもその論破のあと、「その贈与はかれらに響くのか」
という重たい問いがこめかみあたりを圧迫してきた。


購入。
冬の本』(夏葉社)