ちょっと名古屋へ、浜松へ。

散歩の達人 2014年 10月号 [雑誌]


浜松に用事があったので、出かけた。
まずは、高速バスで名古屋まで。
バス内では酔って本を読めないので、
何をして過ごそうかな、などと思っているうちに、
居眠りしてしまった。名古屋、あっと言う間だ。


9時半頃に名古屋に降り立つも、
11時には名古屋を発たなければならない。
駅周辺の本屋さんの開店を待つか。


いや、待つのは苦手だ、と自分を励まして、
地下鉄に乗り込み、千種へ。公園で開店を待って、
ちくさ正文館本店に乗り込む。前回と同じく、
雑誌側からの入店。入店してすぐの、とんぼの本コーナーに、
足止めを食らう。よく見れば、ちくま評伝シリーズ〈ポルトレ〉も。
やめてー、気になる本を連発するの、今日は時間がないんだよー。


急停止、急発進を繰り返しながら、なんとか店の奥へ、
奥へと歩を進める。反対側の入り口(出口)にたどり着いたときには、
息も絶え絶えであった。独特のまんがコーナーがあり、レジ脇にも、
ガロを特集した『東京人2014年 07月号』が積んであったりする。
そして、そのものずばり、『ドミトリーともきんす』のPOPも。


電話応対などに忙しそうな女性スタッフに、隙を見て声を掛ける。
「ドミトリーともきんす、ないですかね」すぐにレジを出て、ありそうなところを
いろいろと見てくれたのだが、ないようだ。「予約分で埋まっちゃったのかな」
そうか、むしろありそうな本屋さんだったから、そういうお客も多いということか。
「必ず再入荷しますので・・・」と言っていただいたのだが、
奈良からは、そうやすやすと訪れるわけにもいかない。


気になる本が次から次へと現れてはぼくの頭を混乱させてくれるので、
ともきんすを見失ったぼくは、何を買っていいか決められなくなってしまった。
東京人は、ガロのも、吉祥寺のも、買ってよしの判定は下されたのだが、
これから浜松に行こうという身で雑誌を2冊も抱えるのはいかがなものか。


購入。ちくさ正文館本店。
『ほんまに vol.16』(くとうてん)*1


気になる新刊。(既刊もあるデヨ)
筑摩書房編集部『ちくま評伝シリーズ〈ポルトレ〉藤子・F・不二雄』(筑摩書房
つげ義春つげ義春: 夢と旅の世界 (とんぼの本)』(新潮社)
金水敏〈役割語〉小辞典』(研究社)
齋藤孝「何から読めばいいか」がわかる 全方位読書案内』(ウェッジ)
小田嶋隆、岡田憲治『「踊り場」日本論 (犀の教室Liberal Arts Lab)』(晶文社
三浦展新東京風景論 箱化する都市、衰退する街 (NHKブックス)』(NHK出版)
佐々木敦あなたは今、この文章を読んでいる。:パラフィクションの誕生』(慶應義塾大学出版会)
中根光敏『『珈琲飲み』: 「コーヒー文化」私論』(洛北出版)
吾妻ひでおひみつのひでお日記 (単行本コミックス)』(KADOKAWA/角川書店
東京人 2014年 10月号 [雑誌]』(都市出版
東京人 2014年 07月号 [雑誌]』(都市出版


急いでJRの改札に駆け込み、ホームに立つ。
やってきた名古屋行きの電車には、人がいっぱい。
さっき、名古屋から千種に行くときの地下鉄も、
何かの間違いじゃないかってくらい混んでいた。


名古屋駅東海道線に乗り換える。何番線か分からず、
あやうく電車に乗り遅れるところだった。普通列車で浜松を目指す。
新幹線から見る景色よりゆっくり流れるあれこれを、
ときどき目に泳がせながら、読書が進む。


読了。
河合隼雄子どもの本を読む (講談社プラスアルファ文庫)』(講談社


気になる本がいくつも出てきた。
新刊書店では買えないものばかり。
ということは、古本屋めぐりの楽しみが増えた、
ということではないですか。バンザイ!バンザイ!


豊橋で乗り換えて、今度は横向きシート。
売店で買ったパンを食べられないまま、
次の本を読む。


車中のとも。
『ほんまに vol.16』(くとうてん)


特集は、「続・神戸の古本力」となっている。
読みどころしかなくて、こんなに薄いのに、
パラパラしただけでお腹いっぱい。
まずは平野義昌さんの巻頭言、続いて、
「インディーズ古書店主座談会」を読む。


人生ゲームというのが、気になる。
スタンプラリー的なものらしい。
細かいルールは書いてあるのだが、
概要がわからん。


浜松に着いた。目的のバスのりばを探す。
なんと、いったん地下に下りて後、向こう側に出るしくみ。
めんどくせいな、と思ったけど、サークル状のターミナルに出れば、
なかなかに胸のときめく空間であった。


始発ということで、少し早目に到着していたバスに乗り込む。
動いていないバスの中なら、ぼくだって本を読める。
市岡洋子さんの「『あしたから出版社』合同フェアによせて」を読む。
「『様子見』で三冊」という記述に、身をすくませる。
ぼくなら、果たして一冊でも注文できたかどうか。


帰りは新幹線で帰ることにする。
発車時間まで、少し本屋さんに寄る。
ツイッターで教わった、谷島屋という書店。
駅ビルの8階、エスカレーターをのぼっていくと、
いきなり店の真ん中に出てびっくりした。


購入。
散歩の達人 2014年 10月号 [雑誌]』(交通新聞社


特集は、「本とアートと音楽好きのための東京散歩術」。


新幹線で、『ほんまに』を読み干した。
続けて『散歩の達人』を開く。ほどなく、
ちゃんちゃんちゃんちゃちゃん、と、
音楽がなる。まさかの京都。近い。


近鉄特急でも引き続き、『散歩の達人』をめくる。
なじみの本屋さんの記事を読んでいるつもりでも、
ふと知らない情報に、ご無沙汰の年月と距離とを感じる。
前に行ったのはいつだったろう。次に行けるのは、いつだろう。


今日、少しだけ、旧東海道だという道を歩いた。
昔のひとは、歩いて京都から江戸まで行ったんだなぁ、と、
思いながら、歩いた。西日が、暑かった。


東海道新幹線があれば、数時間で「江戸」まで行ける。
行けるけれども、ぼくはいま、奈良に住んでいるのだ。
「東京」に住むことをやめて、西にやって来たのだ。


西荻窪でなく、奈良から西へと目を向ければ、
古本力にみなぎった、神戸の町がまちが輝いている。
というか、その手前に大阪の町が輝いている。
北の方には、京都が輝いている。


そもそも奈良市に古本屋がひしめきあっている。
郡山には、とほんさんがほほ笑んでいる。


ぼくが散歩に行くなら、
今は、東京ではなく。

*1:ほんまにサイト:http://www.honmani.net/