見つからない本について嬉々として語る方法

散歩の達人 2016年 11 月号 [雑誌]


昨日読み終えた本の補充をしていなかった。
時間ぎりぎりの中、本を選ぶ。音を立てないよう、
ドアをそっと閉じると、新聞受けのところから、
花が飛び出ているのがしっかりと目に飛び込む。
「一輪」ということばが、浮かんだ。


持ってけばと言われていたベーグルは置いてきてしまった。


昨日啓林堂さんで探して見つからなかった『散歩の達人』、
今日もTLにちょいちょい顔を出している。
梅田まで出れば買えるだろうけどなぁ。


車中のとも。
ピエール・バイヤール、大浦康介『読んでいない本について堂々と語る方法 (ちくま学芸文庫)』(筑摩書房


「序」の冒頭四行を読み終えたいまこのときのわくわくをずっと味わい続けたい。

私は本というものをあまり読まない環境に生まれた。私自身、本を読むことがそれほど好きなわけではないし、読書に没頭する時間もない。そんな私がよく、読んだことがない本について意見を述べないといけないという苦しい立場に身をおく羽目になる。(p.10)


勤務中、お客さんたちのケータイから地震警報。
「ジシンガキマス、ジシンガキマス」みたいな。
かなり揺れた。しゃがみ込むお客さんもいた。幸い、
大事には至らなかったが、すごく怖かった。肌が、怯えていた。


しばらくしてから、また少し揺れた。
今度はあまり大きくなかったせいか、誰も気づいていないようだった。
天井から下がっている照明をじっと見てみたが、ほとんど揺れていなかった。
退勤するころには、もう、地震のことは忘れていた。TLをたどるうちに、
地震のことが書いてあって、あまりにも喉元過ぎればな自分にため息。


車中TLを追っていると、スタンダードブックストア@心斎橋には、
散歩の達人』が入荷したらしい。梅田まで行かなくてもよさそうだ、
と思ってふと、心斎橋に今日入荷したのなら、啓林堂さんにも今日入ってないか。
何でもかんでも、関西は前日入りとは限らない。改札を出てまっすぐ啓林堂書店へ。
まず文芸雑誌、『東京人』の周りを、続いて、タウン誌コーナーをチェック。
昨日見た通り、ほとんど変わらない背表紙の群れの中に、怪しい2冊を発見。
ちょっときつめに差さっているそれが、『散歩の達人』でした。


購入。啓林堂書店奈良店。
散歩の達人 2016年 11 月号 [雑誌]』(交通新聞社
津野海太郎読書と日本人 (岩波新書)』(岩波書店


サンタツ毎月2冊入れてるのだろうか。すごいな。年に何冊売れるのか。
おそらく、自分が担当だったら仕入れを止めるレベルなんじゃないだろうか。
仕入れるときの最低ラインとか、どの辺に設定しているのか。聞いてみたいな。


津野さんの岩波新書も購入。岩波新書の新刊を仕入れてくれる本屋さんは頼もしい。
取り寄せするより仕入れてる本屋さんを探すのが好き。あそこにあるだろうな、
と思ってその本屋さんに置いてあると嬉しい。


店頭で見つけられなかった本はそのまま買わずに終わることも多い。
取り寄せたりネットで買ったりは、あまりしない。見つけられた本を買うので精一杯。
入手困難に思えると、燃える。なかなか見つからなさそうだと思った本を探すのが楽しい。
今回も、非常に嬉しい購入劇でございました。


寝る前に、サンタツをパラパラしたら、知らない本屋さんがけっこうあってドキドキ。
東京で、半月くらい、ぶらぶら本屋さんを冷やかす生活をしたいなぁ。