はんのきで満喫、恵文社で空腹

京都にゆく。
本を読みながら、ふと木津川に気づく。
木津川の景色は、好き。車窓から見える川は、
だいたい好きだけれど。


車中のとも。
片岡義男ブックストアで待ちあわせ (新潮文庫)』(新潮文庫


「服は雄弁な言葉だ。気をつけて着こなそう」を読んだ。
辛くなって、ページを閉じる。自分の値打ちのようなものを、
はっきりと知りたくなくてモゴモゴとごまかして暮らしている自分には、
服によって「自分」が表れてしまうのは、非常に困るのである。


用事があって、今出川で降りた。
このあたりは、めったに来ない。
来る途中、『SAVVY』*1であたりをつけていた、
町家古本はんのきを訪ねた。


店にたどり着くも、営業しているか、判然としない。
外の均一箱を見て、「あ、やってるのか」とわかった。
ごそごそすると、『東京人』がいくつかある。


1997年3月号の「甦れ!東京ことば」が気になる。
これまでだって、何度も目にしたことがあるだろうに、
今日はなぜか気になった。よし、こいつをお供に、いざ、中へ。


薄暗い店内。こういう暗いお店は、落ち着く。
端から端まで、じっとりと見る。文庫、児童書、
マンガ、いろいろ気になる。おしっこがしたくなる。*2
そして、片岡義男にでっくわす。うわー!と思う。


購入。町家古本はんのき。
『東京人 1997年3月号 「甦れ!東京ことば』(都市出版
村上春樹ブック  「文學界」4月臨時増刊』(文藝春秋
片岡義男片岡義男 本読み術―私生活の充実 (シリーズ日常術)』(晶文社


満喫。


すぐ近くの公園は、遊具もしっかりあって、広くて、
ここなら、娘といい感じに遊べそうだな、と思った。
そのまま、ひたすら歩いて、出町柳まで出た。
空腹を抱えたまま、なぜか、カレーを食いたいと思っていた。
叡電に乗って、恵文社一乗寺店まで行った。いいな、と思う本は、
もちろん、いっぱいあったのだが、買うに至らなかった。なぜだ。


・腹が減っていたから。
・図書カードを持っていたのだが、なんかケチりたい気になってしまった。
・はんのきさんで、物欲(本の購入欲)が満たされてしまったから。
・久しぶりに叡電に乗って、電車賃を払ったせいでケチな気分になっていたから。
・次の予定が迫っていたから。
・疲れちゃっていたから。
・店は賑わっていて、「俺が買わなくてもだいじょぶだ」と思ったから。


何でだろう。
最近は、欲しい本を絞るのに苦労するくらいの恵文社詣でなのだが。


気になる新刊。(既刊もあるデヨ)
高野文子しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん (幼児絵本シリーズ)』(福音館書店
小泉恭子『メモリースケープ―― 「あの頃」を呼び起こす音楽』(みすず書房
トム・マッカーシー、栩木玲子『もう一度 (新潮クレスト・ブックス)』(新潮社)
野崎歓翻訳教育』(河出書房新社
橘川幸夫森を見る力: インターネット以後の社会を生きる』(晶文社
藤井大輔逃げない・めげない カイシャ道』(ミシマ社)
もんじゅ君『もんじゅ君対談集 3.11で僕らは変わったか』(平凡社
戸田山和久哲学入門 (ちくま新書)』(筑摩書房
福永信星座と文学』(メディア総合研究所)
長嶋有問いのない答え』(文藝春秋
長嶋有祝福 (河出文庫)』(河出書房新社
鴻巣友季子孕むことば (中公文庫)』(中央公論新社
森岡督行『荒野の古本屋 (就職しないで生きるには21)』(晶文社
雪舟えま『バージンパンケーキ国分寺』(早川書房
福間健二佐藤泰志: 生の輝きを求めつづけた作家』(河出書房新社
ロバート・クーヴァー、越川芳明『ユニヴァーサル野球協会 (白水Uブックス)』(白水社
藤原マキ私の絵日記 (ちくま文庫)』(筑摩書房
坪内祐三昭和の子供だ君たちも』(新潮社)


出町から今出川まで、小走り。次の予定が!
けっきょく、カレーにはたどりつけず、松屋
いろいろ苦い思いで、熱いお茶に立腹。

*1:SAVVY (サビィ) 2014年 04月号 [雑誌]』(京阪神エルマガジン社

*2:ぼくはこどものころ、楽しいときは決まっておしっこがしたくなった。