家路に雷雨

コルシア書店の仲間たち (文春文庫)


帰りの電車で、雷が聞えた。
駅に降り立ったら、土砂降り。
しばらく駅前でたたずんでいたが、
意を決して走り始めた。が、思ってたよりも
雨が強かったので、そのまま駅前の本屋に駆け込んだ。


立ち読みしてたら、妻から電話があった。
「傘買えば?」妻も、娘と一緒に立ち往生しているらしい。
コンビニを目指して再び雨のなかへ駆け出したら、
さっきよりも弱まっていたので、そのまま、
走って家まで帰った。


車中のとも。
須賀敦子コルシア書店の仲間たち (文春文庫)』(文藝春秋


どのお話にも、死の影がひっそりと寄り添っていて、
回想録のセンチメンタルな安心感とともに、
ひやりとした風になぜられているような、
緊張感が心地よい。

その後、だれかがエリトレア人のたまり場のカフェに行って聞いてみたりしたが、どこに行っても、ミケーレがいなくなった理由はわからなかった。だれかと喧嘩したのでもなかった。ただ単純に、いなくなったのだった。(p.116)