風に吹かれて、好奇心
若い友人の出ている芝居を観に、京都へ。
わざわざ「若い」とつけたくなるのは、
どういう風の吹き回し?
午前中に早入りして、レンタサイクルで、
恵文社一乗寺店へ向かう。涼しげな赤シャツの、
堀部店長を横目で見ながら、棚を楽しむ。
気になる新刊。(既刊もあるデヨ)
『考える人 2012年 08月号 [雑誌]』(新潮社)
豊崎由美『ガタスタ屋の矜持 寄らば斬る篇』(本の雑誌社)
『ほかの誰も薦めなかったとしても今のうちに読んでおくべきだと思う本を紹介します。 (14歳の世渡り術)』(河出書房新社)
杉浦日向子『新装版 東京イワシ頭 (講談社文庫)』(講談社)
志水哲也『生きるために登ってきた――山と写真の半生記』(みすず書房)
大崎映晋『潜り人、92歳。』(新人物往来社)
高山文彦『どん底 部落差別自作自演事件』(小学館)
野川かさね『山と写真 (ブルーガイド)』(実業之日本社)
『山・音・色』(山と溪谷社)
原研哉、武蔵野美術大学原研哉ゼミ『Ex-formation 半熟』(平凡社)
山田博行『Tuesday』(Bueno!Books)
ショーン・タン、岸本佐知子『ロスト・シング』(河出書房新社)
水谷静夫『随筆 辞書を育てて』(岩波書店)
デーブ・ブルーノ、ボレック光子『100個チャレンジ』(飛鳥新社)
松沢貴美子、川崎衿子『本を愛する住まい (LIFE STYLEで考える)』(彰国社)
佐々木マキ『うみべのまち 佐々木マキのマンガ1967-81』(太田出版)
『考える人 2012年 08月号』特集は「笑いの達人」。
養老さん、ちょっと感じ変わったなあ、と思ったら、
南伸坊だった!ほとんど養老孟司だよ!似せてきたなぁ。
観劇後、自転車で坂道を下っていきながら、
幸せな気持ちになっていた。
京都×自転車、の、
化学反応。
読了。
檀ふみ『父の縁側、私の書斎 (新潮文庫)』(新潮社)
人生を豊かにするのは、お金でも物でもない。幸せな瞬間の記憶である。「何か」を見ることによって、ふと思い出すことがある。(p.290)
山田稔明の歌を聴きながら湧いてきた気持ちと、
寄り添えそうな本を選んだら、これになった。
この帯のぼつぼつした質感、好きだなあ。
二十代から三十代にかけて、自分にとっての好きな作家のランキング上位はほとんど変動していない。十位前後での入れかえ戦がときどきあるといった程度だ。
ものを増やせない。だからついつい量より質に走る。
新しいことをはじめる時間も、若いときほど多くないような気もする。(p.20)
本を手当たり次第に買えなくなることと、
好奇心が細ってくることの連動は、恐ろしい。
魚雷さんと違って、本を買うお金もないまま、
置き場所も厳しくなってきた自分にとって、
なおさら「買う」に頼らない好奇心の育成を、
厳しく自分に課していきたいところでござる。
と、いうわけで、大好きな恵文社一乗寺店で、
お金を落としてこれなかったことは軽い反省ですまして、
ま、そういう日もあるさ、と、次回へのお楽しみ。
恵文社一乗寺店のファンの皆様、
あたしの代わりに、Buy,Buy,Buy !!
若くない好奇心を、
揉んで、揉んで、伸ばして。
自転車に乗せて、風に吹かれて。