電話より本を携帯

古本暮らし


携帯電話を、よく家に置いて出掛けるようになった。
わざとではない。忘れていくのだ。今日も忘れた。
でも今日は、さすがに「また忘れてしまったな」と、
特に痛みを感じることはなかった。


奈良に越してから、というわけでもないが、
それほど携帯に頼らないようになったみたいだ。
ま、乗換えで布施か鶴橋か調べるのには便利だけど。


読了。
荻原魚雷古本暮らし』(晶文社


「歩兵と将校の戦争」(p.87-92)というのが良かった。
僕はあまり調べるように読んだりできないたちなので、
こんなにも複数冊にまたがって人々の考えを検証できない。
でも、こんな風に本を渡り歩けたら楽しいだろうなぁ。

 年末年始は京都ですごした。妻は姉と上海に遊びに行ってしまった。
 行き帰りの電車、立ち寄った喫茶店などで色川武大の『うらおもて人生録』(新潮文庫)を読み返す。この本、年に一回は読みたい。それもたっぷり時間をかけて。(p.107)


色川武大の『うらおもて人生録 (新潮文庫)』(新潮社)
僕も好き。年に一回も読み返さないが。
こんな風に、年に一回読み返したい本があるって、
幸せなことだろうな。たっぷり時間をかけて読み返す、
という設定がまた、ものすごく美味しそうな時間だ。


「主夫の生活と料理書」(p.146-150)もよかった。
ベターホーム協会『ベターホームのスピード料理』(ベターホーム出版局)が
気になる。


魚雷さんの、文章の終わり方が好きだ。
ちょっと荒川洋治のエッセイを彷彿させる。