売っていない本の魅力

光景 Their site/your sight


大阪に行ってきました。


新幹線を降りて、地下鉄に乗り換える途中に、
古書店発見。萬字屋書店。『活字のサーカス』が、*1
3冊も売っていた。全て、200円だった。
4部作の、最初の奴ですぜ。大阪のみなさん、
萬字屋へ、急げ!!


妻と、Calo Bookshop & Cafe にゆく。*2
肥後橋から「こっち、こっち」的に案内して、道が違ってた。
妻のiPhone が頼り。ちぇ。店に入ると、展示スペースがガラン。
しばらく展示はないらしい。「カフェの利用ですか?」
という店主の質問に、暗に「今日はお休みなんです」と言われてる気がして、
すぐに返事ができなかった。「展示の準備中なんですか?」と尋ねてしまい、
「展示はしばらく休みなんです」という返事をもらってさらに事態は混迷。


食事・飲み物の注文がある場合は、レジにて先に注文する、というシステムらしく、
それの確認だった、ということですね。店は普通に営業中でした。
コーヒーを注文。窓際のカウンター席に荷物や上着を置いて、
ゆっくり本や雑貨を眺める。吊るされていた鳥に魅了される。
鳥はあまりにもよくって、2つも買ってしまった。*3
sumus 13』もありましたよ。


気になった本。
池田朗子、藤田千彩『光景 Their site/your sight』(青幻舎)


雑誌や写真の一部を切り抜いて、立ち上げる、それを撮る、
みたいな本。いやー、これ、かなり面白いですよー。


購入。
平野甲賀黒川創『ブックデザインの構想』(SURE)


お次は、ちょうちょぼっこ*4
あまりにも有名なかのお店だが、一度として、
訪れるチャンスがなかった。開いてる時間が短いからね。


とんでもなく控えめな看板を見つけ、階段をのぼる。
同じビルのほかの店もよさそうな雰囲気。4階が、
ちょうちょぼっこ。ちょっと暗めの照明。
友だちの部屋に訪れたような気分。
しばらくうろうろしていたが、「荷物置かせてもらっていいですか」
とお願いして、ソファに上着や荷物をおろす。


知ってる本、知らない本がぎっしりと並んだ本棚。
マンガの多さも、友だちの部屋っぽい雰囲気なのか。
そうして、珍しそうな本を見つけたときの感覚に、
ふと、新しい発見の予感を感じる。


普通の古本屋さんで、知らない本を見つけたときに、
手に取る前に「いくらなんだろう」とドキドキして、
値段を見ては「うわー、高い、買えない」とガッカリして、
棚に戻しては「誰がこれを買っちゃうんだろ」とクヨクヨしたりして。


けれども、ここの部屋にある本は、基本的には、ずっとここにある。
また来れば、会える。それって、すげぇな!と思った。
掘り出し物を見つけても、それに対して胸騒ぎを覚えずに、
素直にひゃっほうと喜べるのって、素敵だわ。


さんざん本棚を見尽くして、妻が一冊購入して、
そこでようやく、紅茶などを注文した。
後で知ったのだが、ここってワンドリンク制みたいな。
ゆってくださいよー。あんまし張り紙でルール解説、
みたいなのはやってないのですね。


お客さんと店主が『sumus 13』の話をしていて、
「うちではお役に立てないから置かないんですよー」とか、
「大阪だとカロさんで置いてるんじゃないかなー」とか言っていた。
うん、置いてありました、平積みで。


テーブルやイスや照明や音楽や、なにもかもが、
なんか、新鮮でした。友だちの部屋みたいなんだろうな。
そればっかり言ってるな、俺。ずいぶん、ゆっくりしたよ。
また遊びに行きたいなぁ。