大阪本屋ラプソディ(長文)

場所はいつも旅先だった (P‐Vine BOOKs)


今日は比較的、落ち着いた乗車。新幹線。
隣の人が乗ってくる前におにぎりを平らげて、
いざ、読書タイム。実は出発前にふと迷いが生じて、
危うく新幹線に間に合わないところだったのだ。


最終携帯本選抜に勝ち残ったのはこの本。
車中のとも。
高橋源一郎大人にはわからない日本文学史 (ことばのために)』(岩波書店
柴田君との対談を読み終えたばかり。*1
いい感じに、つながっている。


けれども、寝た。
昨日は、楽しく飲みすぎた。


新幹線を降りて、ちょっと呆然。
まだまだ苦手である、大阪。頭の中に地図がない。
心斎橋?ミナミ?歩けるの?新大阪?


心細い僕がふらふらと迷い込むのは、
もちろん本屋さん。地図を見る。でっか字。
むー。路線図とかも見る。駅構内で、
もっとわかりやすく路線図掲げろよ。


とりあえず、JRで大阪駅に行けるらしい。
神戸とか書いてあるホーム。いいのか?
一駅だけ。車中のとも。


野村宏平ミステリーファンのための古書店ガイド (光文社文庫)』(光文社)
ええ、昨夜、酔った頭で一生懸命、探したのですよ。
東京・京都以外の古本屋を調べるには、今は、
お前だけが頼りだよ。カバーは家に置いてきた。
ミステリーファンのための古書店ガイド (光文社文庫)


p.193の大阪駅周辺の地図。これだな。
阪急古書のまちというのがあるらしい。
電車を降りて、友人のメール案内を頼りに、
コインロッカーへ荷物を入れる。




阪急電車の高架下、高架下、イヤホンで耳をふさいで、
迫り来る自転車をかわしながら、ありました!
いくつもの古本屋さんが立ち並ぶ高架下。
ちょっと高円寺みたい?古くはつくばの、
あれはなんという古本街だったか。


今回の目的は、『Lmagazine』。最終号に載っていた、
バックナンバーの表紙ギャラリーで見つけた、あれ。
『Lmagazine (エルマガジン)2003年11月号』(京阪神エルマガジン*2
「本というより書店好き。こんな本屋ですごしたい。」
ああ、まさに、まさに。


ところが、まあ、当然なんですが、ないね。
雑誌、しかも情報誌のバックナンバーなんて、
古本屋さんにはなかなかないよね。
ないものを期待しながらの「めぐり」は、
ちょっと温度が低めです。旅の身空にゃちょうどいい。


杉本梁江堂。映画・演劇関係の本がずらり。
低めのぼくをそっと温める。次々と店に入っては、
飛び出る。阪急古書のまちからも、飛び出た。
次の古本屋は、どこでしょか。あるいているうちに、
紀伊國屋書店梅田本店に迷い込む。人がいっぱい。


気になる新刊。
中沢明子それでも雑誌は不滅です! 愛と怒りのマガジン時評100 (ASAHI PAPERBACKS)』(朝日新聞出版)
ええ、不滅でお願いしますよ!『Lmagazine』は、休んでいても!


略図はわかりにくい。『ミス古書ガイド』のお店を、
全部回れるわけでなし。わかりやすいお店だけ、行くか。
合っているのかいないのか、すすめ阪急東通り。


あった!末広書店!古きよき町の本屋さん、
といったたたずまい、でも古本屋さん。
若い店員さんもいて、活気がある。


購入。末広書店。
谷川俊太郎下谷二助『三枚のカード―日本昔話「三枚のお札」より (おはなしのたからばこ 14)』(フェリシモ


レジでお兄さんに、「エルマガジンのバックナンバーありませんか?」
「すいません、雑誌は置いてないんですよ」やっぱしね。
このあたりで、かえって大型新刊書店の雑誌売り場のほうが、
可能性があるんじゃないかしら、という考えが頭をかすめる。


次に足を踏み入れたのは、ブックファースト梅田店。
折好く補充している雑誌担当者を発見。尋ねる。
「いやー、エルマガジンはもうないんですよ」
もうない?もうない・・・。それは、休刊になった、
ということなのか。それは知ってるよ?休刊を機に、
エルマガバックナンバーも全部ひきあげちゃったの?
最新号の「ベスト・オブ・エルマガジン」すらないの?


代わりにぼくの目を喜ばせたのは、こちら。
大阪人 2009年 03月号 [雑誌]』(大阪市都市工学情報センター)
特集は「続々古本愛」ご丁寧にフルシュリンク
中身見えないがな。


名残惜しくて、ちょっとだけ、国内ガイドのコーナーを見る。
それは、まだ未練があったから。雑誌担当者も知らないうちに、
エルマガのバックナンバーが・・・、なかった。
関西で見る国内ガイドコーナー、当り前かもだけど、
京都や大阪などのカフェ本・雑貨のお店の本が充実。
いいなぁ。京都には住んでみたいと、
けっこう本気で思ってる。


前の日に、エルマガ最終号で確認していた、
行きたいお店を3つ。
Calo Bookshop & Cafe(肥後橋駅すぐ)
colombo cornershop(心斎橋徒歩5分)
ちょうちょぼっこ四ツ橋5分)


ちゅうことでそろそろCalo Bookshop に行こうかと、
四つ橋線に乗るべく西梅田駅を目指す。
ヒルトンの横を通ったときに目にした看板。
ジュンク堂。おお、ジュンク堂


ジュンク堂書店梅田ヒルトンプラザ店。
たどり着くまでにエスカレーターをぐんぐんと。
どこにあるかな雑誌コーナー。見慣れた書棚。
新宿店や大宮ロフト店と似た風景。ふっと、
ココロつかまれて立ち止まる。なんだ、ここは。
本屋さんの本か。


気になる新刊。
松浦弥太郎場所はいつも旅先だった (P‐Vine BOOKs)』(ブルース・インターアクションズ
藤本恵『子どもの部屋×小説―掘りだしものカタログ〈3〉 (掘りだしものカタログ 3)』(明治書院
山本亮介『輸出×小説―掘りだしものカタログ〈4〉 (掘りだしものカタログ 4)』(明治書院


まさに旅先!買うか?買うのか?
しかし今日は、いつになく初志が騒ぎ立てる。
雑誌コーナーを探して、再び歩き出す。
じゃーね、やたろー。また東京で。


そして、雑誌コーナーにて、発見!
エルマガジン』のバックナンバー!
ひゃっほう!しかし、2003年11月号はない。
けれどもバックナンバーコーナーを見つけただけで、
高揚。一冊、買うことにする。


購入。
大阪人 2009年 03月号 [雑誌]』(大阪市都市工学情報センター)


さて、改めて、四つ橋線
肥後橋駅は、次の駅?
歩けたんじゃないですか?


地上に出て、ケータイでCalo Bookshopを検索。
出口を間違えてた。もう一度出直す。
7番出口。出る。探す。分からない!
若狭ビル、若狭ビル。もしかして、路地を入るの?



「若狭ビル!」
ビルの横に、大きく「若狭ビル」の文字。
ここですね、ここですよ。なんか素敵なエレベーターで、
5階へ。なんか展示もやってるみたいです、
こんにちわー。Calo Bookshop & Cafe。*3


お腹が空いていたので、何か食べる気まんまんで入ったら、
意外にしっかりギャラリー。カウンターはあるけれど、
ちょっと注文しにくい感じ。とりあえず、ぐるっとしよう。
展示の主がいるのか、カメラマンが写真を撮ったりなんだり。


そして。ここにも、エルマガジンのバックナンバーが!
ぎゃーす!しかも今までで一番たくさん!
すわ、2003年11月号もあるか?と思ったが、
さすがになかった。よくよく考えたら、
2003年ですよ?古すぎるだろー。
でも、並んだ背表紙に書かれたタイトル見ると、
「いい雑誌だったんだなー、エルマガ」って思う。


展示もぐるっと見て、ふっとカウンターを向けば。
女性スタッフと目が合う。「カレーできますか」
なんというタイミング、狙ってたならお見事。
お客と呼吸を合わせるのが、絶妙すぎ。カリスマ?


カウンターに荷物を置いて、本のコーナーをもうひとめぐり。
建築の本や写真集なども充実。ああ、ステキ。
並みの本屋さんよりも、魅力的な本棚。
さて、この素敵な場所で、本でも読むか。



5階ということもあり、カウンターからの眺めは絶景。
僕は、電柱や電線の眺めも好きだから、なおよし。


カフェのとも。
高橋源一郎大人にはわからない日本文学史 (ことばのために)』(岩波書店


カレーも、たいそう美味かった。
友人との待ち合わせ時間が迫ってきたので、
そろそろ参りますか。


購入。
Lmagazine (エルマガジン) 2008年 10月号 [雑誌]』(京阪神エルマガジン
Lmagazine (エルマガジン) 2008年 06月号 [雑誌]』(京阪神エルマガジン


『Lmagazine (エルマガジン) 2008年 10月号』特集は「絵本のチカラ」
『Lmagazine (エルマガジン) 2008年 06月号』特集は「かわいい奈良」
ポストカード2枚。


カウンターにあった『dictionary 126』ももらう。
表紙はしりあがり寿。どんなフリーペーパーか。
分厚いな。意外に荷物が多くなっちまった。
さて、心斎橋に向かおうか。歩こうか。


四ツ橋筋を歩いている途中、電話あり。
仕事終わった友人がチャリで向かうという。
では、難波神社あたりで待ち合わせしよ。
と言って、御堂筋へ向かったらば。


本屋さんだ。ちょっと入っちゃう?
待たせちゃ悪いよ。いや、ちょっとだけさ。
ここの本屋さんは・・・。colombo cornershopですか!*4
なんという偶然。この道を通って四ツ橋から御堂筋へ。


「いまどこー」やべぇ、と店を出たら、
チャリに乗った友人が。お願いして、
もう少しだけお店を見せてもらう。
雑貨も置いてある。いい感じ。
またゆっくり。さいなら。


JRで須磨へゆく。
さらば、大阪。また来るぞ。