チビッ子のお値段

すごい本屋!


妻と、世田谷ボロ市を回る。
林書店という本屋さんが出店していた。
吉本の本などを買う妻。ふむ。
とても人が出ていた。極寒。


夜、新年会へ向かうまでに時間があったので、
おに吉の第4号を入手すべく、西荻窪へ向かう。
あまりに寒いので、途中はすっとばして、
西友を通り抜け、音羽館へ直行。


寒さをこらえて、外の棚を見る。
店内から出てきた夫婦らしきふたりが、
というか男性の方が、しきりに店を誉めている。
「この店はなんていう店だ」と連呼。


今日は、文庫・新書ともに欲しい本を見つけられた。
目当てのおに吉も、すぐに発見。なんとなく、
千円以内という設定が頭に浮かび、計算しながら、
店内を回る。


購入。音羽館
井原万見子『すごい本屋!』(朝日新聞出版)
北尾トロ男の隠れ家を持ってみた (新潮文庫)』(新潮社)
山田玲司キラークエスチョン (光文社新書)』(光文社)


さて、まだ時間がある。
寒い。あまりに寒い。もう一件くらい、
古本屋さんを攻めてみるか。
買わないで、見るだけで。


興居島屋に行くことにした。
前回行ったときは、改装直前とかだったか。
店の前に、料理屋みたいのが出来ている。
寒い。寒いが、やはり外の棚を見る。


まんが日本昔ばなし」のミニ本が売っている。
ドーオン企画というところのもの。
以前に、自由が丘のまりら書房でも見た。
これは、というものを5冊手にする。


音羽館で千円にするために何冊か諦めたのに、
ここで本を買っては、申し訳がない。
だから、きりがいいところで、五百円だ。
と、なんとも意味不明な理屈が頭を駆け巡る。


と、『彷書月刊』の新しいのを見つけた。
特集は「二〇一〇年からの古本屋」で、
欲しいな、と思っていたのだった。700円か。
合計で、1200円、きりがよくないな。


このくらいの広さの店ならば、すべての棚に、
視線を走らせてからでないと帰れない。
帰りたくない。児童書の棚も一応、見る。
『ほざくなチビッ子』という、
愉快なタイトルが目に入る。


なんだか、見覚えのあるイラストが表紙。
パラフィンもかけてある。めくってみると、
「イラスト/チャールズ・シュルツ」とある。
ピーナッツか!


しかし、なんとしたことか、値段がついていない。
きっとお高いことでしょう。既に1200円という、
半端な値段で苦しむ俺に、チビッ子を連れてく道はなし。
というか、もう、かばんに本が入らないよ。


だが、どうしても、気になる。パラパラしながら、
目に飛び込んでくるチビッ子たちのこざかしいコメントが、
いちいち面白い。最近、なかったことだ。一冊が、
気になって棚においていけないことなんて、久しぶりだ。


店主に聞いてみよう、と声をかけると、
「わからないですね、ちょっと聞いてみます」
店主、ではないようだ。アルバイト?
どこぞに電話して、値段を尋ねている。


「児童書の棚にあって・・・、作者はアート・リンクレター」
電話の相手も、よく覚えていないのではないだろうか。
レジを離れ、児童書の棚へと戻りながら耳をすます。


「えー、元の値段は240円です」
胸騒ぎがする。それはとても古い文庫なんですよ。


「はい、では100円で」
電話が終わった。


レジに戻った。やはり100円でいいみたいだ。
「じゃ、これも」。『彷書月刊』も買うことにした。
ちょうどいい時間になっていた。待ち合わせは、
高円寺だ。


購入。
彷書月刊 291号(2010年1月号)』(彷徨舎)
アート・リンクレター、山田小枝子『ほざくなチビッ子(文春文庫)』(文藝春秋
『うぐいす長者』(鶴書房
『たのきゅう』(ドーオン企画)
『木仏長者』(ドーオン企画)
『牛方とやまんば』(鶴書房
『ちょうふく山のやまんば』(ドーオン企画)


気になった本。
吉本ばなな吉本ばななインタヴュー集』(リトルモア
宮本貢『なくなったもの』(晶文社


吉本ばななインタヴュー集』4人の相手と対談。
ポール・オースター町田町蔵宜保愛子原マスミ