生きあぐねている人のための
読了。
角田光代『あしたはうんと遠くへいこう (角川文庫)』(角川書店)
しかし、これが一人の人間に起こる出来事ですか。
自分で、「一人のヒト」として、信じられるのかしら。
面白かったス。
昨日の風呂から今日のソファーで。
保坂和志『書きあぐねている人のための小説入門』(草思社)
二度目ですが、こいつぁ、すごいね。
もっと何度も読み返すべきだね。
あなたはあなたの森の地図を自分で作るしかない(p.27)
その小説を書きながら、それを書いている時間を通じて自分が考えたいことは何なのかということを考えてください(p.30:原文は太字部分に傍点あり)
簡単に諦めようとしている自分も嫌だったけれど、そういう感情に支配される自分がもっと嫌で、途中から私は、大げさに言うとそれを徹底的に封印して、治ることだけを考えるように努めた。結果、猫は回復し、私は何に対してかはわからないが感謝する気持ちで(それが「世界がある」ということだったのかもしれない)、小説を書けないかと思い始めていたのだった(p.66-67)
現代小説が書く困難さ=辺境は、科学的概念と直観の連絡のように、書くことそのものの困難さを内包している(p.73-74)
最後の引用部分は、茂木健一郎の「科学と思想の間に補助線を引く」という考えと、
共鳴するように思えた。
恋愛感情に補助線を引いてあれこれ分析するのは、
野暮、というものか。ねぇ、おかしら?
溺れるものがつかんだわらを批評する暇があるなら、
浮き輪でも補助線でも投げてやれよ。