そのブログの消し方

その姿の消し方 (新潮文庫)


ゆうべ、髪を乾かさずに寝たので、
なかなかみごとに乱れていた寝癖に、
てきとーに整髪料をぬりたくって出勤。
少しだけ、ペットボトルのごみも出せた。


車中のとも。
堀江敏幸その姿の消し方 (新潮文庫)』(新潮社)


ほんとうに、ごくわずかな文章を目に入れる。
口を湿らす程度の水分補給にも、精神的な休息の意味があるはずだ。


こちらの店には最終出勤。雑誌の入荷量はそれほどでもなく、
スムーズに作業を進めていくうちに開店時間が近づいてくる。
朝礼で一言、どんなことを言おうかと頭の中がぐるぐるしていたが、
結局、あがってしまってしょうもないことをごにょごにょ言って終わった。


し残したあれこれが気になりつつも、雑誌返品箱詰めや、
明日のレジ表作成など、ほんとうに、最低限の作業を重ねるうちに、
いつもなら休憩に出る時間を大きくはみ出して、時計の針は、
加速してゆく。連絡ノートにも、あいさつのことばを残す。


もうそろそろ、というころにそばにいた上司やパートさんに挨拶して、
店を後にする。この時間に、建物の外に出ることはほとんどなく、
地上に迷い出たもぐらの気持ちで必死に駅を目指す。暑い。
無事に地下鉄に乗りこみ、駅の明かりが向こうへと遠ざかるのを見て、
あぁ、レジに入ってた皆さんにも声を掛けて帰りたかったな、と後悔する。


次の店にて、午後の勤務。
昨日の記憶が体に残っている。
頭とからだは、ガラガラと異音を立てながら、
なんとかこの空間に占める位置を確保しようと、
あくせくしている。眠気がしばしばそれを邪魔する。


昨日教わった閉店業務を、メモを見ながら、
自分なりに遂行しようとするが、吐き気を催すほどに、
できない。先輩は、名監督のように、少し離れたところで、
売場の本などを眺めている。なんとか電車のあるうちに、
店を後にした。妻に、メールを送る。帰ります。


昼間に、はてなダイアリーのサービス終了の文字を、
TLで見つけた。ついに来たか。カウンターが終わったときにも、
虚脱感に似たものを感じたが、ダイアリーの終了にも、
何とも言えない、残念な気持ちがわいてくる。
しかし、どこか覚悟していた事態でもあった。


継続をうながしてくれるコメントに、嬉しさを感じつつも、
このブログの消し方について、思いを馳せる。


2019年春「はてなダイアリー」終了のお知らせと「はてなブログ」への移行のお願い
http://d.hatena.ne.jp/hatenadiary/20180830/blog_unify


読了。
堀江敏幸その姿の消し方 (新潮文庫)』(新潮社)


また環境が変わります。
いろいろと、ありがとうございました。
新しい日々を、こしらえてゆきます。
今後とも、よろしくお願いします。