その場限りの、共感

ゆうべは、少しだけ早く寝た。
おかげで、それなりの時間に目覚め、
水やりも、ゴミ捨ても済ませて、駅へ。
今日は発車ホームを確認してから乗車。
やはり2番ホームで合ってるよな。


昨日がたまたま1番ホームからの発車だったわけか。
油断ならぬ。「いつもの」という動きは、時に、
思いがけない失敗を招く。気をつけよう。


近鉄線内では、TLに流れる東京医大の話題に、
目が釘付けで、ひたすらさかのぼるばかり。
送品表も本にも手が出なかったら、罰が当たったのか、
冷えすぎた空調にお腹が痛くなって、乗換え駅でトイレにこもる。
せっかく04分のに乗ったのに、16分に乗ったときよりも遅くなった。
いやー、近鉄さん、ちょっと空調、きついっすよ。


これに乗らねばいよいよ遅刻だ、という電車を待つ間、
腹痛を忘れるためにと、今日はじめての「本の声」に耳を傾ける。
日食メガネの話が出てきた。自分でも販売したような気もするが、
2009年は、書店員ではなかったはずだ。どんな記憶の混濁か。


気になる新刊。
MOE (モエ) 2018年9月号 [雑誌] (巻頭大特集:スヌーピー/描きおろし絵本付録:ヨシタケシンスケ)』(白泉社
『田舎暮らしの本 2018年 09 月号』(宝島社)
Casa BRUTUS特別編集 美しい暮らしをつくる本。(マガジンハウスムック CASA BRUTUS)』(マガジンハウス)
ビッグコミックオリジナル 2018年 8/20 号 [雑誌]』(小学館


『MOE 2018年9月号』ヨシタケシンスケの絵本がふろく。
『田舎暮らしの本 2018年 9月号』ふろくのシマエナガの写真集がかわいい。


ネギシさんのツイを見て、一瞬、
放課後に映画見て帰ろうかとも思ったけど、
おとなしく直帰することにした。そんなに早くあがれなかったし。
建物の外に出ると、すごい熱気。17時半にして、まだこの暑さか。
日中のやばさがしのばれる。皆さま、ほんと、熱中症とか、
気をつけて生きのびてくださいましよ。


車中のとも。
宇田智子『市場のことば、本の声』(晶文社

失恋した日の日記をだいぶあとになって読みかえしたら、まるで恋が成就したかのように読めてびっくりしたことがある。悲しいところを抜いて書いたらそうなっていた。ひとつもうそをつかなくても、話は何通りにも語れる。(p.198)


「その場限り」、とても良かった。
宇田さんが「失恋した日の日記をだいぶあとになって読み返した」という、
文章の途中まででもそうとう面白い冒頭の一文は、後半になって、
「まるで恋が成就したかのように読め」た、と転がる。
びっくりすると、文章の中の宇田さんも、
びっくりしている。なんだ、そりゃ。


抜書きしたこの冒頭のひとかたまりだけで、
いろいろなことばがこころに浮かんでくる。
そして、次の段落ではもう、恋の話は出てこなくて、
「話は何通りにも語れる」というところが伸びていく。


ことばが伸びていく先々で、「あ、わかるわかる」という、
小さな共感が咲いてゆく。その花を、思わずじっと見つめてしまって、
読む目が立ち止まる。息をつく。ぼんやりとして、何かを、
考えるともなく、考えてしまう。そういう文章。


今日の帰りの電車で読んだところは、
ことごとく、傑作続きで、たいへん面白かった。
「ほんの序の口」掲載分だから、一度読んだことがあるはずなのに、
案外、はっきりと覚えているものは少なかった。加筆修正した、
とあるが、どれほど違うものなのだろう。読み比べてみたい。


駅前のスーパーで食材を買って帰る。
米を炊いている間に洗濯機を回してシャワーを浴びる。
食事が終わる頃、妻子から電話があった。スカイプ
というのを初めて試してみた。おお、動いている。
しゃべっている。文明の利器だ。