土曜の休息、かたわらに本

珈琲が呼ぶ


自治会の会合で仕事を休む。
子どもらを保育園に送って、洗濯物を一部干し、
時間ギリギリに会議室へ駆け込む。帰ってから、
残った洗濯物を干しきる。延滞してしまった本を返しに、
図書情報館へと向かう途中、腹ごしらえ。


一瞬脳裏に、一秒でも早く本を返すために、
昼食は後回しにすべきなのではないか、という考えが浮かぶ。
このあたりにかすかに、病の臭いを感じたり。


結局、ときどき立ち寄るスーパー横の喫茶店へ。
いつもの席が空いていてうれしい。この席にしか座ったことないかもしれない。
大きめのカップに入ったコーヒーが嬉しい。


コーヒーのとも。
片岡義男珈琲が呼ぶ』(光文社)


帯に目次からいくつか抜粋されている、正確には18個。
ほとんど全部載せかと思ったが、文章は全部で45個あった。
目次に使われているフォントは、なんとなくヨシオっぽくない気がした。


「一杯のコーヒーが百円になるまで」を読んだ。
小田急線の経堂駅は思い出のあるところなので、
いきなりグッと引き込まれたが、読んでゆけば、
ていねいな、いつものヨシオの文章だった。
もちろん、それは、期待通りのヨシオだ。


駐車場は、心配していたほどは混んでいなかった。
去年のイベントでは桜の真っ盛りで、花見客が停めていたのではないか、
といぶかるほどの混雑だった記憶がある。あれも、さくらマルシェだったか。
まずは延滞図書を返却し、階段を降りて新聞の書評欄を見る。
3月に、読み逃した朝日の書評があったはずだ。
おぼろな記憶をたよりにめくっていけば、
18日の新聞にそれらしい評を見つけた。


サンキュー・タツオ評: ジョゼフ・チャプスキ、岩津航『収容所のプルースト (境界の文学)』(共和国)*1


なぞのもったいをつけてから、ようやく、さくらマルシェ。
目に飛び込んできたのは、たくさんのブースに群がる人々。
うーむ、思っていたより、盛大な感じ。と、そこへ、
本のイベントで必ずと言っていいほどお会いする、
ガクウンドウさん登場。どうも!


まずはおしゃべりで気持ちをリラックスさせてから、
人の少ないところを拾い読むように、
あっちこっちに足を向ける。


deadbookstall さんはレコードも出していて、
生意気にもひと通り、手を触れてみる。「良かったら試聴できますので」
と声を掛けられる。なるほど、ポータブルプレーヤーが置いてあるのは、
そういうわけだったのか。特に回してもいないのはどうしてなのかな、
と思ったのだが、希望があったときに流せるように、ということなのか。
立ち読みのできないレコードの販売で、その場試聴ができるというのは、
「中古レコード」販売の、「特権サービス」かしら。


遠目でちらちらと確認しつつ、なかなか話しかけられなかった北村さんが、
突然、目の前に現れた。いやぁ、ご無沙汰しております。1月のあべの訪問時は、
お会いできなかった。もしかして、今年初めてかもしれない。
柴田ハックが買えなかった話をしながら、改めて、
書店で本に触れる機会の大切さを確認するなど。


ぐるぐる回っていると、ようやくスナガワさんにお会いできた。
目の前では、オムラヂ公開収録中。青木さんのお相手は、
本の雑誌社高野夏奈さん、なぜか首都高の話をしていたのだが、
青木さんの話題の転がし方に笑わされてしまう。見事だ。


借りた。奈良県立図書情報館。
ドーン・ヒューブナー、ボニー・マシューズ、上田勢子『だいじょうぶ 自分でできる心配の追いはらい方ワークブック (イラスト版 子どもの認知行動療法 1) (イラスト版子どもの認知行動療法)』(明石書店


購入。さくらマルシェ(本の雑誌社、deadbookstall、ブックスキタムラ)。
『寄せ書き本の雑誌』(本の雑誌社
本の雑誌編集部:編『特集・本の雑誌〈2〉ブックガイド篇 (角川文庫)』(角川書店
堀江敏幸:編『記憶に残っていること (新潮クレスト・ブックス 短篇小説ベスト・コレクション)』(新潮社)


いつの間にか、ずいぶんと時間がたっていた。
駐車料金100円を投入して、家路についた。