本屋に、もう一軒

コーヒーもう一杯 (角川文庫 緑 371-12)


娘たちを保育園に送っていき、
洗濯物を干して、今日、やらねばならないことを、やりたいことを、
いいかげんに紙にかきなぐったりして。そんなことをしてるうちに、
あっという間に昼時だ。家を出る。暖かい。駅前の、
リトルマーメイドでパンとコーヒーと、一冊。


コーヒーのとも。
片岡義男コーヒーもう一杯 (角川文庫 緑 371-12)』(角川書店


「彼が愛した樹」良かった。


再び、暖かい路上へと歩みだす。
今日こそは『BOOKMARK』*1をもらいに、横綱を訪れようかと思っていたのに、
もうお昼を過ぎてしまった。でも、まだ未練が残っていて、駅の階段を降り、
改札をくぐり、次の電車の発車時刻が2分後であると分かった途端に、
小走りで電車へと駆けこんでしまった。電車の中で、冷静になったら、
途中で引き返したっていいんだぜ、と思いながら、地上に出て、
佐保川を越えるポイントを待ち構える。


さくら!
満開の、桜!


一瞬で後方に飛び去る佐保川沿いの桜よ。
平城宮跡の桜たちも、いい。


TLにも、桜の写真が次々と現れる。
もう、このまま、大阪へ行くのさ。
とんぼがえりで帰るなら、
歯医者にも間に合うさ。


車中のとも。
片岡義男コーヒーもう一杯 (角川文庫 緑 371-12)』(角川書店


「ホノルル・ブックストアへ歩くまでに」、良かった、

読みすすむのはもったいない。もうここでやめよう、という気持が何度もわきあがってくるのだがその気持とおなじ強さで、もっと読みたい、という気持も同時にあるという、ひとりの読者としては至福の状態で、ぼくは鱒釣りを読んでいったのだった。(p.204-205)


大阪駅に着き、自動改札で、ピンポンと鳴らしてしまう。
チャージ不足!そうして、財布の中に小銭しか残っていないことを思い出した。
むぅ、本屋より先にATMか。ぼやけた記憶を探りながら、梅田の地下へと降りていく。
それほど迷うこともなく、UFJのATMで現金を確保してふたたびJRの方へと戻る。


平日昼間の横綱は、少し、空いていた。こないだ来たときは、
えらいレジが並んでいたので、ギョッとしたものだ。さて、『BOOKMARK』はどこじゃいな、
レジ脇の無料冊子を置いてあるところで、残り2部となった『BOOKMARK』を発見。
あ、危なかった!スッと1部だけいただいて、サッと本棚の森へ引き返す。
文芸書・本の本のコーナーを見て、目当てのアレが見当たらず、
新刊台へ移動、面陳されていた松本さんの本を手に取る。


まだ何か、探していたものがあったはずだが、なんだったか。
演劇書の前に立って、思い出せず、ガラケーでガタガタのAmazon のリストを表示。
あ、木村俊介さんの新刊だ。漫画家さんのインタビュー。まずは検索機を叩く。
在庫、あり。だが、位置情報は出てこない。ツイッターで木村さんは、
今日発売、というようなことを言っていた。横綱のことだ、さすがに、
もう品出しはされているだろう。ただ、位置情報の登録が、反映されていないのだ。
コミック売り場の、漫画家さんについての本が置いてあるところがないか、
見て回る。うー、普通に、コミックスばかりで、解説本みたいのは、ない。
もう一度、検索機を操作して、今度は木村さんの他の本も見てみる。
ほら、『漫画編集者』*2の位置が分かれば、
併売しているかもしれないじゃん。


ところが、『漫画編集者』は、在庫なしだった。探している『漫画の仕事』は、
幻冬舎コミックスからの出版。版元違いでは、既刊をねじこんではこなかったか。
半島のようなビジネス書売り場の一画に出版関係の本があるところがある。
そこも探して見よう。おぉ、ブックレットホンが2冊とも面陳になっている!
す、すごいな。松本さんの本は、こちらにも平積みされていた。そうか、
本屋さんの本は、文芸書の方よりこっちに置かれるのだね。
こちらにも、『漫画の仕事』は置いていない。はて、さて。


もう一度、文芸書の方へ行ってみようか、と歩き出す。
検索機の在庫マークは二重丸だった。ということは、
それなりの冊数が入っているんじゃなかろうか。
平積み・面陳が期待できる。漫画についての本、
そうか、サブカルのとこにはないだろうか。
ざっと見る。ない。もっと見る。あった。


あった。思っていたより、こぶりだ。
平積みだ。猟師になった気持ちで、
獲物に手を伸ばす。


購入。紀伊國屋書店グランフロント大阪店。
松本大介『本屋という「物語」を終わらせるわけにはいかない (単行本)』(筑摩書房
木村俊介『漫画の仕事』(幻冬舎コミックス


読了。
片岡義男コーヒーもう一杯 (角川文庫 緑 371-12)』(角川書店


あとがきにある、天候を描いた長篇小説が、ちょっと気になる。
これは、刊行されたのだろうか。


夕方、歯医者に行った。何度かみてもらっていた歯科衛生士さん、
辞めてしまっていて、別のヒトに代わってみてもらった。
これだけ続けて同じ歯科医院に通ったことがないので、
初めての喪失感に子どもみたいな気持ちになっている。

*1:http://www.kanehara.jp/bookmark/

*2:木村俊介『漫画編集者』(フィルムアート社)