書き手も読み手も歌い手も - とり、本屋さんにゆく

祝日・休配日。
それでも、よそで朝食をとれるほどの余裕はなく、
職場へ直行することにする。送品表を経由せず、
いきなり本に取りつくことができるだけで十分。

「イエスタデイ」良かった。
「昔、好きで良く読んでいたムラカミハルキの短編」風な文章。
だが書かれた時期は携帯電話の発明後。こういうのが、
「目くばせ」に感じて、グッとくるのかしら。

今週もリハ。今日は自分もちょっとやる予定。
最後の「仕込み」と腹ごしらえに、スタンダードブックストア＠心斎橋。
棚は見ずに、エスカレーターでカフェに直行。いつものオムライス、
今日はホットコーヒーで。仕込みに夢中になって、時間ギリギリ。
足早に、いつもの帰路を北上してスタジオへ。

共演者の前で、８分ほどのパフォーマンス。
作品としては、半分程度の種しかなかったが、
感触としては悪くない。残りの半分に向けて、
ギュッとした意欲が湧いてきて、再び南下。

今度は、棚を見る。欲しい本はたくさんあるが、
今日は、こちらにそでをつかまれて買ってしまう。
気になる雑貨もちらほらあって、ひとつ家内にみやげとする。

「独立器官」を読んでいる。これもムラカミハルキ風。
語り手も年を重ねているが、読み手も年を取っている。
その距離と角度はそれぞれだけれども、僕の場合、
幸運にも気持ちいいところで推移しているみたい。

家族は寝静まっていた。
小さい音で、『My Back Pages』を何度も聞いた。
それ以上、どこにも行けないと気がついて、
歯をみがきに行ったが、鞄から文庫を。

死んだ誰かのことを長く記憶しているのは、人が思うほど容易いことではない。（p.174）

死んだ誰かのこと、と言われて反射的に思い出すのはいつでも、
Ｓ君のことだ。それほど多くのことを覚えているわけではないが、
とりあえずはまだ、覚えていると言っていい。容易いことでないなら、
ただ君のことを覚えているだけで、喜んでもらえますか。

「独立器官」の残りを読み干して、就寝。