あべのには北村さんがいる
皿も(ほとんど)洗ったし、ごみ出しもできた。
小走り(強)で、電車にも間に合った。
昨日の勉強会でやる気出た。
坂上さんと話して元気出た。
トークイベントばかり行ってないで、
自分の仕事しっかり、というのをかみしめる。
いや、行きたいやつには行っちゃうんだけど、
いただいたエネルギーは現場に還元したい、っていう。
還元できたか知らんが、今日も早めに退勤できた。
昨日も明日も遅いからちょっと迷ったけれど、
天王寺に立ち寄ってしまう。2月に行く、
沖縄のことを考えたかったのだ。
なんとなくスタンダードブックストアなら、
考えられるんじゃないか、と思ったのだ。
ガイドもあったし、カフェもあったし。
けれども到着早々に北村さんにお会いして、
またも本の話、本屋さんの話をぺらぺらとまくし立てる俺。
いつもお仕事の邪魔して、すみません。言葉の端々に、
仕事に対する真剣な思いをにじませる北村さんに、
ほれぼれとする。ほれぼれしてる場合か。
でも今は、お客さんだからいいか。
1冊ガイド本を持って、カフェへ。
コーヒーを飲みながらしかし、本は目の前に立てかけて、
こないだスタンダードブックストア@心斎橋で買ったポストカードで、
なぜか宇田智子さんに手紙を書くことにする。どんなテンションだ。
書き終えて、ガイドをぱらぱらして、気がすんで、
再び本屋さんのエリアへと戻る。
「新刊台」の周りをぐるぐる回りながら唸っていると、
また北村さんが通りがかった。本について、言葉を交わす。
去年の、『悲しみの秘義』*1の話をしてから、
いっそう北村さんと本の話をするギアがあがった気がしている。
これ、気になってるんですよね、沖縄だし、
といって指した本についても、しっかりと、
けれど押しつけがましくないコメントを、
いただいてしまった。買おう。
購入。スタンダードブックストアあべの。
上間陽子『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち (at叢書)』(太田出版)
買ったばかりの本を袋から出して読み始めて、
すぐにぐいぐいと引きずりこまれてしまう。
車中のとも。
上間陽子『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち (at叢書)』(太田出版)
相談をもちこむひとは、禍々しい暴力の実態にうちのめされながらも、子どもの話を聞き続ける力があった。それが示すもうひとつの事実は、子どもに尋ねることができないひとのもとでは、子どもの現実は明らかにされないということだ。(p.8)
「キャバ嬢になること」を読んでしまった。
こういう言い方はなんだが、とても面白い。
いや、「なんだが」でごまかしてはダメだ。
ひとりのひとが誰かのそばに立ってくれることの、
ありがたさ。それを読む喜び。
その子のそばには、この人がいた。
話を聞いてくれた。あぁ、良かった。
この感情を、ついうっかり、「面白い」と呼んでしまいがち。
本を読んで湧いて出た「ポジティブな感情」を全て「面白い」と呼んでしまいがち。
「この本、面白い」と言ってしまいがち。
面白い、っていう言い方は、なんだな。
なんなんだ。なんだかんだ。
今日、この本を買ってよかった。
北村さんと話ができてよかった。
*1:若松英輔『若松英輔エッセイ集 悲しみの秘義』(ナナロク社)