助手気取りは命取り

私の寄港地


上の娘を保育園にお願いして、
もっぱら、下の娘を世話する妻の助手。


休みのとも。
今江祥智私の寄港地』(原生林)


「5 触媒」のところで、『モンタンの微苦笑』のことが出てきた。
私家版で、今江さんがイヴ・モンタンについて書いたもの。


こないだネットを見ていてたまたま知った本で、
とても気になった本だ。以前に今江さんの著書で、
「いつかモンタンの本を書きたい」と書いてあり、
著書リストを見てそれらしきものを見つけられず、
「あぁ、今江さん、けっきょく書かなかったのだなぁ」
と残念に思っていたら、なんと、私家版でひっそり作っていたのだ。


300部しか作らなかったってんだから、なかなか手に入るまい。
それでも、去年の秋に入手した人がいるらしい。うらやましい。
曇るこころにふたをして、いや、もうきっぱり忘れようぜ、
と先日せっかく諦めたのに、本の中で再会してしまった。
うーむ、やっぱり読んでみたい。気長に探すとしようか。


しかし、今江さんの文章と宇野亜喜良の絵は、
ほんとうによく合っているなぁ。


すきをついて本を読んでいたら、眠くなってしまって、
助手のしごとをほっぽりだして、沈没。


夜、ベビーバスで4年ぶりに赤子の顔をガーゼでぬぐう。
4年前の赤子がイスの上に立ってその様子を眺めている。


邪魔だ。


残念ながら、あの頃のようにマジメな気持ちは失われ、
「正しい沐浴」を遂行しようという必死さは、もうなかった。
それならば、この緊張感と必死さは、どこに向かっているのか。
居眠りの失点を挽回しようという助手の保身に過ぎないのかもしれない。


助手よ、助手のつもりでいる男よ、
君は助手ではなく、父親なんだということに、
はやく気づくべきだ。