ボリクで義男、休日に

バラッド30曲で1冊 (角川文庫)


とほんさんでの一日のことを、ブログに書く。
そうして、午前中が過ぎていく。どこか、
電車に乗って本屋さんに行こうかとも思ったけれど、
そうだ、今日こそは、図書館に本を返さねば。


ごはんの間で、昼食。ひとりでも入りやすいし、
美味しいし、にぎわっていて寂しくない。
豊住書店さんをのぞく。この時間だと、
お客さん、わりといるんだな。


図書館にて、本を返却。ここの図書館は、
鞄を預けなくてはいけないのが、
ちょっとストレス。朝日新聞に、
とほんさんの記事を読む。


うとうとしながらも、高橋源一郎の、
マンガについての本を読み干す。


それから、少し悩んで、結局、
移転オープンしたボリクコーヒーに行くことにする。
出かける前にちらっとネットで調べていたのだが、
道に迷ってうろうろしてしまった。なんとか、
発見した。道から、少し奥まったところに
建物、入り口を入ると、にぎやかな感じ。


先に注文して、支払いを済ませる。
席は、一番奥にした。


休みのとも。
片岡義男バラッド30曲で1冊 (角川文庫)』(角川文庫)


「思い出の夏」が、いい。
ずっと男女の光景が続いたところに、若い母親と三歳くらいの男の子供。
メロドラマ風の描写よりも、母子の様子に惹かれるのは、年齢や、
自分の環境によるのだろう。学生時代に読んでいたら、
どうだったろうか。独身時代に読んでいたら。


「電話をかけるだけ」も、良い。雨のなかの電話ボックス、という景色から、
何がしかの記憶を呼び起こされる。ここでは「電話ブース」と呼ばれている。
うちの娘がいつかこの本を読んだとき、電話ブースの中での「彼女」の行為を、
註釈抜きに理解できるだろうか。図書カードの説明をするときに、
「テレフォンカードのようなものです」というセリフが、
いつまで通用するのだろうか、という、ね?


コパトーン」を読んだ。これまでのと比べて、少し長い。
前の席の女のひとが身支度をととのえはじめたとき、
この一篇がまだ終わらないことにストレスを感じた。
彼女が店を出ると、僕は最後の客になってしまう。
でも、夏を追いかけるこの文章は、とても良かった。
しばらくして読み終えて、ああ、最後の客になっちまった、
と思いながら放心していると、「ありがとうございました」
という声が聞こえた。他にもまだ、いたのだったか。今度こそ、
ほんとうに、最後の客になった。僕が帰ると、客はいなくなった。